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統合的複雑性:政治家に見る叡智の指標

41人の米国大統領の統合的複雑性
Integrative Complexity of 41 U.S. Presidents
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1467-9221.2007.00562.x?casa_token=j6LRgACyfKIAAAAA%3AU3NJ82rQs_59Eq39dsQsuv9eRxAT7lSZ5S8gX7XVYbUKnXmqBMwBuJjz5ZgzCjXS6oinRlaOiFyvG6sK

統合的複雑性という概念があるのをなにかの論文で読んで知った。

これはものごとを多面的に重層的に複眼的に認知する能力のことで、ざっくりいってしまえば、複雑なものを複雑なまま捉える能力ということにもなるんだろうか。

この統合的複雑性というのは言語分析により数値化できるものらしい。

この論文はアメリカ大統領の一般教書演説などをサンプルにそれぞれの大統領の統合的複雑性を調べ、パーソナリティとの関係を探ったもの。

結果として

・大統領の統合的複雑性は選挙前には低く、当選後高くなる。

・保守性が高い大統領は統合的複雑性が低い。

・性格的には、外交的、親和欲求(他の人に認められ仲良くなりたいという欲求)、友好性、機知(ウィット)の要因が高いほど、統合的複雑性が高い。

・統合的複雑性が高い大統領は必ずしも「偉大な大統領」ではない。

ということが示されています。

選挙前には統合的複雑性を低くしたほうが当選しやすく、実務にあたっては高いほうがよいのでこのような変化がでるのでは、ということや

統合的複雑性が高ければいいというわけではなく、状況に応じて高くしたり低くしたりするほうが大事なのではないか、ということが述べられています。

Q:統合的複雑性はどんな要因で構成されているのか?

明日目を通す論文

国際的な危機におけるコミュニケーションの統合的な複雑さ

Integrative complexity of communications in international crises

https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/002200277702100108

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