経営者の賢慮を示すもの:統合的複雑性
トップマネジメントチームの統合的な複雑さと分散型の意思決定が企業の社会的パフォーマンスに及ぼす影響
The Effects of Top Management Team Integrative Complexity and Decentralized Decision Making on Corporate Social Performance
https://journals.aom.org/doi/abs/10.5465/amj.2008.0762
統合的複雑性という概念がある。
これは物事をどれだけ複眼的に複雑に捉えられるかの指標。端的にいえばこれが高い人ほど熟慮できる人ということになる。
この指標はその人の使う言葉から計測できるそうで、この論文は統合的複雑性と起業パフォーマンスと関連付けて調べたもの。
対象となったのはフォーチュン500社に含まれる起業61社の経営者の言動と起業パフォーマンス、および各社の集権度合い(集権 or 分権)。
結果を示すと以下の通り。
ざっくり言えば、トップの統合的複雑性が高かろうが低かろうが、分権的であればパフォーマンスはそんなに変わらない。
また別の見方をすれば、集権的であれば、トップの統合的複雑性が高いときにはパフォーマンスが高くなるが、トップの統合的複雑性が低いときにはパフォーマンスがダダ落ちしてしまう。
そう考えれば、組織の設計はできるだけ分散的にしておいたほうが、パフォーマンスがダダ落ちするリスクは回避できるということになるんじゃないだろうか。
Q: なにか似たような他の研究はないものか?
明日目を通す論文:
社会的ジレンマにおけるグループ間関係に対するグループディスカッション統合の複雑さの影響
Effects of group-discussion integrative complexity on intergroup relations in a social dilemma
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0749597816306756
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