04:57

背中に親しい温もりが広がってきた
顔を後ろに向いたら、誰かの唇に右耳が当たった

目蓋の隙から覗いたら
彼がいつものように、私を後ろから抱っこしてた

ん?昨日自転車で公園を去っていったはず...
なぜか側に居る...

彼のほっぺを掴んで3回確認したら、優しい顔のままの彼だった...

笑顔を交わして抱きしめた
嬉しくてチューをした..

 少し不安になって、3秒後頭を上げて聞いた
「これって付き合ってるの?」「付き合ってるよ」

「どうやって入ってきたの?」
「鍵かけてなかったよ あんた..」

布団から顔を出してみたら
公園の野球場横の草場にベッドが敷いていた

「帰ったじゃないの?」「一回帰って着替えたよ」
確かに昨日と違うブルーの運動服だ

「何時にきたの?」 「3時ぐらいかな」

言いながら布団から出て 少しまっすぐに歩いた 
そして私に振り向かって  右側の隅を差しながら 
「ここからまっすぐプレゼント置いてるところが見える
ずっとあなたが戻ってきて本を取ろうかどうか見てた」

そっか その隅からは真っ直ぐ 見えるんだ...

目の前また暗くなった  
枕の上の顔を左に戻した

4:57.. 
目を開きたくなかった  

少し甘い味がした
彼の顔も表情も
目つきも 
戻ってきてた...

2020.06.29   9:41
#写真 #小説 #記憶の妄想 #love #fiction   


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