後悔しないための大学受験の秘訣
あんまりこういうことを言うのは好きではないのですが、大学受験では、第一志望校に落ちる生徒が多いです。
高校受験と大学受験の違いで、個人的に感じているのが、高校受験では第一志望校に合格する生徒の方が多く、大学受験では第一志望校に合格する生徒は少ない、と言うことです。
もちろん狙っている大学の難易度にもよりますが、早慶上理やGMARCHなんかの難関大学と言われる層を狙っている生徒さん、第一志望校に合格する数は、多くないです。
これが正確な数字なのか、それとも私が個人的に感じているだけで実際は違うのかは、わかりませんが、そのくらいで考えておいて損はしません。
第一志望校の合格は難しいかもしれない。
こう考えた時に、それでは「後悔しない大学受験」って何でしょう?
何が大切なのでしょう?
1. 落ち込む生徒、落ち込まない生徒
2021年度の受験結果が出揃いました。
受験結果の伝え方一つを見ていても、それぞれの生徒さんたちの受験結果に対しての心情が伝わってくるように感じています。
志望校の合格の報告を、感情いっぱいに伝えてくれた生徒さん
淡々と結果だけを教えてくれた生徒さん
落ちた大学名は書かず、進学する大学名だけ送ってくれた生徒さん
第一志望校に合格をした生徒さんが喜びでいっぱいなのは当然かと思いますが、第一志望校が不合格だったけれど、進学する大学が決まっている生徒さんたちの中に、やや温度差があるように感じました。
落ちたんですー!って悲しそうに(悔しそうに)報告できる生徒さんと、そうじゃない生徒さんといいますか。
この違いって何でしょう?
個人の性格の問題なのでしょうか?
私は、不合格だったという事実を受け入れている生徒さんと、受け止めきれていない生徒さんの違いのように思います。
前者にも、悲しさや悔しさはもちろんあります。ただ後者はそれに加えて、恥であったり、罪悪感、自分を責めてしまう気持ちなどが混ざってる気がしたんですね。
ショックを受けているからこそ、そういった感情を感じてしまうと言うことはあると思います。それ自体が悪い訳ではありません。
ただ、やはりそういった感情の中にいると、本当に心がしんどくなりますので、必要な期間が終わったら、整理整頓してほしいな、と考えております。
2. 後悔しない受験勉強は可能か
現役では第一志望校に落ち、浪人を経て第一志望校に何とか合格をした私が思う、後悔しないための受験勉強というものがあります。
それは、自分ができる最大限の勉強をする、ということです。
え、そんなこと?って思ってしまうかもしれませんが、これがとにかく難しいんだということを、受験生ならみんな知っています。
受験勉強が心の底から好きで、何をおいても熱中してしまうという受験生は多くありません。
大方の受験生は、勉強に集中できずスマホを触りたくなる衝動を抑えるのに必死だったり、休憩時間を過ぎているのに友達とそのままダラダラ話してしまったり、つい居眠りしてしまったり、ブックオフに立ち読みしに行ってしまったりと、そういった欲求との戦いです。
ある程度そういった衝動を抑制して、計画通りに勉強をしている生徒でさえ、もっと勉強できるのではないかという疑心暗鬼を抱え、常にソワソワしてしまう人だっています。
社会人になった時に「大学受験の時に、もっと勉強しておけばなぁ」という感想を持っている人に多く出会いました。とても不思議です。逆に「あれ以上の勉強はできなかったなぁ」と言っている人にはまだ出会ったことがありません。
自分にできる最大限の勉強をする、というのは、第一志望校に合格する以上に難しいことなのかもしれません。
3. 最大限の勉強をするために
自分が継続できる最大限の勉強を時間を確保することが重要です。
そのためには、自分が集中できる勉強時間を最大限に伸ばす必要があります。
難関大学を目指すのであれば、一日10時間以上の勉強が目安だと聞いたことがあると思いますが、現在の勉強時間が3時間以下の生徒さんが、いきなり10時間集中して勉強することは不可能です。
勉強時間は、徐々に伸ばすしかありません。
そのためには、自分が集中できる時間は何時間なのか、どういう内容なら集中力が続きやすいのか、集中が切れた時にする勉強内容は何が適切なのか、一日の勉強スケジュールをどのように組み合わせると、自分に一番負荷がない状態で勉強を継続できるのかなど、自分をよく観察した上で、いろんな要素を考える必要があります。
くれぐれも、無理して頑張らないことです。
無理して努力して根性で乗り切る受験スタイルは、令和に生きる我々には向いていません。
自分をゲストに見立てて、おもてなししてください。
ゲストが気持ちよく勉強ができる環境を整え、嫌だと思うことを無理にさせるのではなく、自然とやってみたくなる勉強スタイルを提案し、明日の勉強のために今日の休息が必要ならば、そのためのスケジュールの調整をするのです。
そう言った心のためのゆとりも確保しながら、最大限にできる勉強時間を確保するという難しさが、現代の受験生が乗り越えなければいけない壁です。
そうです。
受験勉強とは、自分を知ると言うことでもあるんです。
自分の気持ちを無視して、勉強を無理に続けようとすると、燃え尽きたり、直前期にドロップアウトする可能性が高まります。
自分が気持ちよく継続できる勉強ペースを、最大限のスピードで乗りこなすことは簡単ではありませんが、受験ではこれがとにかく大事です。ぜひ目指していただきたい。
自分とよく対話し、自分の取り扱いが上手になればなるほど、どんな結果が出ても、「でもこれ以上この人は勉強できなかったよな?結果は残念だったけど、全力出せたな」と言う気持ちが湧いてきます。
どんな結果であっても、受け止められるくらい、全力を尽くす。
私が考える、後悔しない大学受験の秘訣は、これです。
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