【中古】 CAVAGNOLO GALA 5 ~フレンチアコーディオンの特徴
キャバニョロは歴史あるフレンチアコーディオンメーカー
41鍵盤(F〜A)120ベース
MMMLリード
スイッチ 鍵盤部11+ベース部3 重量11.4kg
フランスのアコーディオンメーカーCAVAGNOLO (キャバニョロ)のGALA 5という機種です。フレンチアコーディオンの代表ともいえる歴史あるメーカーで、音もキャバニョロ特有のきらびやかさがあります。
日本では、cobaさんがデビュー当時や初期のレコーディングで使用していた機種としても有名です。当時のファンたちはこの機種を手に入れることが夢だったと言います。
cobaさんがキャバニョロ社の社長さんと運命的な出会いをし、直談判したことからキャバニョロ製ピアノ式鍵盤アコーディオンが誕生しました。現在日本にピアノ式のキャバニョロアコーディオンが流通しているのはcobaさんの影響なんですね。
一目でキャバニョロ製とわかるド派手な小鳥模様グリル。鍵盤もパールシェルで美しいですね!
スイッチのデザインは、数字だけのものと、リードセットが明記されている物があります。機種によってまちまち。数字だけだと、最初はどんな音出るかわかんないですね。
フレンチアコーディオンの特徴
独特のチューニング
フレンチアコーディオンの特徴のひとつに、ミュゼットチューンのピッチ幅の大きさがあります。ミュゼットチューンというのは、スイッチでいうとMMやMMMのことで、アコーディオンの中にある同じ音域のリードセットをあえてわずかにズラして調律し、それらを同時に鳴らすことで生まれる波動のある音色のことです。
日本ではそのピッチのアコを「哀愁漂う音色」なんて言いますが、本場のフレンチアコーディオンの場合ですと、ハリがあってツヤがあって、なんだか華やかで踊りだしたくなるような音色に聞こえます。というのも、フレンチアコは一般的なイタリア製アコーディオンよりもピッチのズレが10セント近く大きいのです。ピッチ差が大きい程、より派手でインパクトのある音色になります。
リードの固定の仕方のちがい
アコーディオンの発音体である金属のリードは、一つひとつが切断された状態で、それを木製のブロックにはめていくのですが、ただはめただけでは簡単に外れてしまいますし密閉度も低いので、イタリア製のものは「ろうと松やにの混合物」を溶かしたものを使って一つひとつ接着しています。
これに対して、フレンチタイプというのは小さな釘を使って固定します。
この裏側にも同じ枚数のリードがそれぞれ装着されています。この写真はリードブロックが2本ずつしか写っていませんが、本体にはたいてい右手側だけで4本セットされます。
細かく繊細で、さらにパーツ数も多いので、ここだけでも作業量は相当なものになります。イタリアタイプによせフレンチタイプにせよ、大変手間のかかる作業です。
イタリア製の方がどちらかというと温かみのある音色がして、フレンチタイプは明るく派手な音がするのは、このリードの固定の仕方のちがいも影響するかと思います。
蛇腹どめ
フレンチアコーディオンはボタン式が主流で小型なものも多いため、通常蛇腹とめがないのです。こちらのGALA5はあとから谷口楽器でつけております。ピアノ式の方はボタン式よりも鍵盤部が長くなって筐体全体が大きくなってしまうので、フレンチアコとはいえ蛇腹どめはあっても困らないと思います。脚も壊れていたため補修済みです。
左手ベース部のボタンがキノコ型
フレンチタイプの左手ベース部は、ストレートボタンではなくキノコ型になっています。基盤も段々畑のように段差がついています。GALA5は機種によってたまにストレートボタンのものがあるようです。
キャバニョロ独特の蛇腹色
蛇腹の色は他のメーカーと少し違って落ち着いたワインレッド色をしています。ここもまた、視覚的に上品さを演出しているポイントなのかもしれませんね。
キャバニョロのミュゼット音は、キラキラしているんだけどどこかシリアスで、どっしりとしているんだけど上品な響きな気がします。先ほどフレンチアコのピッチについて書きましたが、キャバニョロ社においては一般的なフレンチピッチからさらに数セント差をつけるんだとか。そりゃあ目立ちますよね。それだけズレていても、楽曲に使えるんだからアコーディオンって不思議な楽器です(ピッチのズレに魅力を感じない方もいらっしゃるので、楽曲やジャンルによっては好みが分かれやすい音ではあります)。
私はパリミュゼットの曲が好きなので、ミュゼットを弾くときはフレンチアコーディオンを使って弾いてみたいなと思いました。
では、また!
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