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もっと小さな音で【詩】【ポエム】~燻らし奏法について~ 54


わたしは

今日も けむり  くゆらすようにピアノ弾く

それは
実体は無く 変化していく 音の影

ざらざらした鍵盤
吸い付く指

ピウ・ピアーノ
もっと小さな音で

そっと押し込んだ鍵盤が
あの日射抜かれた 心を撫でていく


音に もたれて 流るる思い出

煙る残り香 
虫の  協奏曲


窓の外 

誰かがピアノのささやき  聴いている


【後記】

秋がやってきましたね。

ピアノを弾かれる方は、わかって頂けると思うのですが ピアノを、ごくごく小さいピアニッシモで弾きたい時、音が鳴らずに かすれてしまう事が有ります。
かといって、音を出す為に、きつい音が鳴ってしまうのも…。

そこで、私が編み出した奏法があります。(他にも、やってらっしゃる方、居るのかしらん。)

「この一音は、ソフトな音で、ぼかすような音色にしたい!」と思う音の鍵盤を、音を鳴らさないように そーっと押さえて(「打」鍵しない)、そしてその後にペダルを踏みます。
すると、その押した鍵盤の音が少し、残っていきます。☞完成。
そう、煙を くゆらせるようなイメージです。

フレーズの最後を柔らかくしたい時、例えば「ソラソ~🎶」とお隣の音に行って、戻ってくる時。「最後のソ」を、上記の奏法で弾きます。

名前を付けるとしたら…『くゆらし奏法』。

「そんなの、だめーーー!」
って、誰かが言ったとしても 関係ありません。
私は私の音色おんしょくで弾きたいから✨


※「ピウ ピアーノ」…さらに 弱く
※「ざらざらした鍵盤」…今では珍しい象牙ぞうげ鍵盤の感触を表しています。



詩(ポエム)で、唯一無二の世界を作ります✨