資本主義の終焉を見極めたければ最後の砦キーエンスの推移をみていればいい。

資本主義の最後の砦、それはちょっと言いすぎかな?だが、少なくとも日本の資本主義が終わるときを見極めたいならキーエンスを見ておけばいい。

その企業の名を「キーエンス」という。ソフトバンクGを抜いて最近時価総額が何位とかになったり、もうだいぶ有名になってきたかな?

俺が十数年前、学生時代に名だたる企業の中で、唯一面白いと思い、就職活動なるものをしてみた企業でもある。

当時のキーエンスは一部上場はしていたけど、今ほど存在感もなく有名でもなかった。

時価総額大手の企業は軒並み、テレビCMを打つような、大衆向け商品を扱う企業の中、キーエンスはBtoBのセンサー開発企業だ。

キーエンスの凄いところは、BtoBで一般知名度が皆無でありながら、ずっと企業規模と企業価値を伸ばし続けてきたところである。

当時から新卒採用の仕方や、企業としての在り方、人事マネジメント、営業、マーケティング、利益率、すべてにおいて異彩を放っていた。

給料平均額日本一、激務、ボーナスや退職金は給料に転嫁し無駄な在職期間の引き延ばし工作をしない、社員が無駄口をたたく暇もないほどの分単位の労働管理、徹底した独自サービス 営業ノウハウなど、全てに異彩を放ちながら、それでいて理詰めのシステムを構築していた。

当時から、社会の一般的な在り方と一線を画し、「良い意味で」隅から隅まで資本主義経済の在り方を突き詰めた企業だった。

そこまで突き詰めて人間を動かそうとすれば、通常は人間の不満がすぐに溜まってシステムがうまくいかない、と多くの経営者は思い込んできた。

ところが、キーエンスはそれを何十年もうまくやってきた。

おそらく、他のどんな大企業でどんな経営経験を積もうと、キーエンスの経営資源と同じ資産価値を全て用意されたとしても、キーエンスの経営だけは決して真似できないだろう。おそらくこの先も世界のどこにも現れない。

あらゆる技術、特許、実用新案などよりも真似ができないくらいの会社自体の特殊性。それくらい凄いものだ。


今後キーエンスがどこまで行っていつ落ちるのか?は俺でも想像がつかない。なにせ、このコロナ禍でも関係なく業績と時価総額を伸ばし続けるモンスター企業である。

それは単に資本主義的に完璧であるということだけじゃなく、事業内容そのものが先進的であったのだ。これから資本主義のクライマックスに向けて進むオートメーション化のまさに中心となる事業、それを何十年も前からやっているのだから。

彼らはまさに資本主義の社会を良い意味で完全に攻略した、資本主義のマスターであり、その文脈においては完全無欠の存在である。

このキーエンスという企業が唯一終わるとすれば、資本主義という価値観が終わるとき、だろう。

おそらく、資本主義の象徴・株式市場の最後の最後まで価値を保ち続けるのが、このキーエンスであり、その彼らでさえが終わるときがまた資本主義の終わりといえるだろう。


締めの言葉:資本主義の終わりを見極めたいならキーエンスを見ておけ。



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