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【エッセイ】責任者は私。

ぬるっと始まった新学期。
もう何度目かの立教での春。
残単も、ここに残れる残機も、ずいぶん少なくなってしまった。

4月3日、春の冷たく優しい小雨が降り続く中、入学式が行われていたようだ。
所用で大学に向かうと、真新しいスーツを身にまとった学生らが右往左往している。やれ友人作りやら、オリエンテーションやら、履修登録やらと、初めてづくめで焦点が定まっていなさそうだ。
全く、1年生の春はやることが多すぎる。学年が上がれば上がるほど、こんなにぬるっと4月が始まってしまうのに。

彼らを見ていると、自分が1年生だった頃を思い出さざるを得ない。
なんだか、昔の自分を映した鏡のようだ。
そりゃ自分だって1年生の頃があったわけですから、もちろんそうなのだが……

2024年の春JETには、主張が強めの文章を書いた。
部内でも賛否両論あったが、それでも載せてくれるところが、このサークルのいいところ。
元々自分がこのサークルを選んだのはジャーナリズムに興味があったとか、そういうわけではなかったはずだが、もうすっかり自分を構成する一部になった。

ずっと知り合いに
「サークルに入るな!」といわれていた。
なぜかって?
「まともな奴なんかサークルにはいない。自分がまともな上位企業に入りたいなら、外に出て、団体をやるなり起業するなりしたほうがよっぽどいい」
ということらしい。
まあ、一理ありますよね。だってサークルはあくまでも”学生同士のじゃれあい”、大人から見たらそうとしか言えないから。
もっとやるべきことがある、と言われたらそれまでだ。

「もし、今1年生に戻れるならこのサークルに入らなかったか」
と言われたら、少し悩んで
「いいえ、また同じサークルに入りますよ」
と答えるだろう。

人との出会いは一期一会。
ここでじゃなきゃ会えない人たちがいっぱいいた。
運動部みたいに「よっしゃー!みんなで優勝目指そうぜ~!」
みたいな青春チックな展開も
少年漫画みたいに「どこまで行っても友達だぜ!」
みたいな熱い展開もここにはないが
それでも私は同じルートをたどろうとするだろうな、と我ながら思ってしまったのだった。
この展開にはまどマギのほむらちゃんもびっくりだな。

この文章を読んだ学生諸君には、自分の後悔しない選択をとってほしい。
誰に何を言われても、自分の人生に責任をとれるのは自分だけだということを肝に銘じてほしい。

それから、学生のうちに、自分の芯を作ってほしい
就きたい仕事でも、どうありたいかでも、守りたいものでも
なんでもいいから。
ただ流行りものに流される側の人になってほしくないのだ。
社会に振り回されるより、少しでも社会を作る側になれたら、と思う。

そのために「勉強しろ」としか私は言えないのだが…
もちろん机に向かってガリガリお勉強するのも大事なのだが、
いろんな人に会って、いろんな世界を見て、
自分の視野を広げることも大事。
本を読むのはその一環みたいなもので、
気軽に他人の凄い体験を追体験できるわけだし、
自分よりもよっぽど頭が良くておかしな経験をしている先人たちの話から、自分に合う要素をピックアップして実行するだけでも変わると思う。

これから何をしよう。まだまだやることはいっぱいあるな。
就活は、ちょっと嫌だな。
まだまだみんなの未来が明るいといいな。
そんなとりとめもないことを想いながら、7分咲きの桜を見上げながら歩いた。

(執筆者:€)




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