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接地音

遠くから人が歩いて近づいて来る時の音で、
その人が誰だか分かることありませんか?
カツ、カツ、カツと小気味のいい音を立てる人、
靴を擦るように歩く人、
バタバタと大きな音を立てる人

歩き方にはそれぞれ特徴があり、
その時に響く音にも個性がにじみ出ます。

さて、立教大陸上部が55年ぶりに箱根駅伝出場を決めたことが
話題になりました。
監督の上野裕一郎さんは自らも現役で
「日本一速い監督」と呼ばれているそうです。
練習では一緒に学生ランナーと走るそうで、
テレビ取材に「選手の息遣いとか近くで見ていた方がいい、
接地音で(状態が)悪ければ分かります」と語っています。

足音で誰だか分かるだけではなく、
接地音で、その選手の状態の良し悪しが分かるって
すごくないですか。
それだけ、何度も、何度も、何度も、
その選手の足音を聞いているから
なせる「技」ですよね。

以前、発電所で大きな設備に金属製の棒を当て、
耳で振動を感じている作業員の姿を見たことがあります。
わずかな変化を察知し、
異常はないか、
金属疲労が起きていないかなどを
確認しているということでした。
バス会社も金属製の棒でタイヤの回りを軽くたたいて
同じようなチェックをしますよね。

その道のプロは、音を聞けば分かる、ということでしょう。
日常にはさまざまな音があふれていて、
聞き流していることが多いし、
一般の人には何の変哲のない音でも
携わっている人にとっては
とても貴重な情報が詰まっているということに
気づかされます。

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