Kiyo to Kiyo クエスト 第9話 喜代の言葉②
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
喜代に出会う前の僕は、自分や家族(身内)のことばかりを祈っていた。
『今年も何事もなく、健康に過ごせますように』
『~に合格できますように』
『事業がうまくいきますように』
とか、今思えば他力本願というか、何かに依存してるような感じの祈りだった。
喜代はよくこんなことを言っていた。
「自分がなりたいことを祈るなんて、他力本願やで~。」
「自分がやる事には、自分しかできない。」
誰かが、何者かがやってくれるわけではない。なりたい自分になれるように、近づけるように、自分を磨いて努力すればいい。その大事なことに氣づかせてくれた。
祈りに限らず、人をうらやんだり妬んだりすることに対しても、同じようなことをよく言っている。
「妬んだり、嫉妬したりする暇があったら、
自分を磨けばいい。
なりたい自分になれるように、
努力すればいい。」
“隣の芝生は青く見える”という諺にもあるように、自分にないものや優れているものを見ると、それを羨んだり憧れたり妬んだりしたこともあった。そしてその願望が膨らんでくると、無い物ねだりをしたり、無理に背伸びをしたり、自分を大きく見せようと虚勢を張って飾ったりもしていた。そしていつしか、偽りの自分と本当の自分との区別がつかないくらいにまでなっていた。
喜代に教えてもらい、氣づかせてもらったことで、今の僕は自分のことで祈ることも、他人をうらやむことも、妬むこともなくなっていった。
そんなことで無駄な時間やエネルギーを使うくらいなら、自分を磨き、努力する方がよっぽど近道だし、集中もできることに氣づいたから。
そして、人を羨んだり憧れたりすることに対しても、喜代がよく言っていることがある。
「人は人。それはお外。」
「自分がどうしたいか?」
人と比べる前に、自分が何をしたいか? どうしたいか?
お外に向けていた自分の目先を、自らの内面を磨き努力することへと変えるきっかけを与えてくれた。
そして祈りについても、これまでの自分や身内に対しての祈りではなく、他者に対して祈るようになっていった。(世界平和や、被災した方々に対して、など)
喜代から教えてもらって“祈り”の考え方が変わったことだけでも、思うことがある。それは、少しでも多くの方が自分に対する祈りよりも他者に対しての祈りの割合が増えていけば、他者への労りや思いやりに繋がって、この世の中がもっと住みやすく暮らしやすくなるんじゃないかと思う。
~ つづく ~
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