「暦の上では秋なのに」の違和感(記事26)
昨日8月7日は「立秋」でした。
また、旧暦では昨日が七月初四日、今日は七月初五日で、七月から九月は秋に当たります。
(旧暦では正月から三月が春、四月から六月が夏、七月から九月が秋、十月から十二月までが冬です)
この時期、日本でたびたび耳にするのは「暦の上では秋になったのに暑い」といった言葉ですが、これにはいつも違和感を覚えます。
「立秋」は二十四節気の一つで、その前は「大暑」です。つまり、一年で暑さのピークになった頃、「立秋」の期間に入ります。「秋」になったからといって、突然、天高くなり涼風が吹く、なんてことはありえません。
これは「立春」も同じで、一年で一番寒いとされる「大寒」の次が「立春」なので、立春になってもまだ雪が降る地域が多いですし、当面は寒い時期が続きます。
中国にはもともと「極まったら衰える」という考え方があるので、立春や立秋もそう考えるとわかりやすいです。
寒さが極まったら冬の勢力が衰えて春に向かう(大寒→立春)
暑さが極まったら夏の勢力が衰えて秋に向かう(大暑→立秋)
これらをふまえると、立秋の時期に「暦の上では秋になったのに暑い」というのはとても的外れに思えてきます。「立秋」はもともと暑い時期なので、「暦の上ではまだ立秋だから暑くて当然」なのです。
(譬えるなら、唐辛子を食べて「これ唐辛子なのに辛いねえ」と言っているようなものでしょうか)
ちなみに「立秋」の約二週間後は「処暑」(今年は8月22日)といい、やっと暑さが収まる頃とされています。
以前触れた「三伏」(一年で一番暑い時期)も今年は8月23日まで続きます。
そして、「処暑」の次は「白露」(今年は9月7日)、この頃になっても残暑が厳しいようなら、「秋になったのにまだ暑いねえ」と言ってもまったくおかしくありません。
でも、「立秋」の時期に「まだ暑いねえ」というような声を聞くと「立秋だから暑いに決まってるでしょ」と思ってしまいます。
(面倒くさいヤツですみません)
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