【後編】ブランドデザインを怠る会社はモテない〜カオナビのオフィスデザインを事例に解説〜
カオナビのオフィスが出来上がるまでのストーリーを事例に、私がブランドデザインにおいて大切にしていることをお話しています。
前編はこちらからご覧ください。
コロナパンデミックが起きる
オフィスのコンセプトを再定義し出航しようと思った矢先、新型コロナウイルスが流行し、社会全体がリモートワークにシフトしていきました。
このまま移転を進めていってもいいのか・・・。何度も葛藤し迷いました。→しかし、このオフィスプロジェクトは止まることなく続行していきます。
決定的な理由は、Future Deckにもあったように「従業員と会社が選び選ばれる対等な関係」というカオナビのポリシーは揺らぐことはないから。家にも会社にもロックダウンさせることなく、働く場所を選べることがカオナビ従業員の権利です。
(Kaonavi Future Deck)
https://speakerdeck.com/kaonavi/kaonavi-future-deck-20201001
会社員の文化として割とネガティブに根付いていた出社義務、これが突然リモートワークの普及によって在宅で仕事ができるようになると、一見ストレスフリーのように感じるかもしれません。
しかし、在宅で仕事することと従業員にとっての幸せは比例せず、本人にしか分からない事です。
1Rで同居している従業員の場合、ビデオ会議の時間が重なった時はどちらかが外で作業場を探しに行かなければなりません。
従業員がどれだけ過酷な状況で仕事をしているのか。想像できないクリエイティブオフィサーはモテない会社を作っていると言えます。
今後パンデミックや災害が起きたとしても、従業員にとって「避難場所」や「基地」のような目的でオフィスを提供をすることが、本来会社として最低限のベネフィットではないでしょうか。
オフィスオープン後の反響
さて、2020年11月24日、カオナビのオフィスは無事オープンできました。
コロナ禍の中、床面積を2倍にしてのオフィスリニューアルオープン。そして日本企業ではなかなか受け入れられないような働く空間。このオフィスプロジェクトは、カオナビにとって大きな挑戦でした。
ありがたいことに、お客様からは「羨ましい」「遊びに行きたい」という声が、従業員からは「友人に自慢したい」「早くオフィスで仕事がしたい」など、ポジティブなメッセージを沢山いただき、今でも止みません。
このことから、会社に関わるステークホルダーをファン化させる1つの方法は、万人に快適な環境を提供できるかどうかです。例えばオフィス。それを通じてカオナビのステークホルダーにファンがつくきっかけになれば、オフィスプロジェクトは成功に近づいていると、私は思っています。
1番大切なことはブランドと一貫させること
最後に、オフィスプロジェクトで1番大切にしたことは、会社のブランドとオフィスデザインを一貫させたことです。ブランディングで大切なことは、全て一貫させることです。
前章でブランディングするためには様々な手段があり、そのうちの1つとして、環境(e.gオフィス)デザインがある。と上に記しました。
オフィスプロジェクトを進めるにあたり、重要視した5つのポイントは下記の通りです。
1)オフィスプロジェクトをブランディングデザイナーがリードする
2)会社としてオフィスが何物になるかを議論・定義する
3)社として働き方の定義(ポリシー)を忘れない
4)2,3に沿って設計やデザインを行う
5)作って終わりではなく、運用プランもブランディングの一環として考え続ける
オフィスを通じて、カオナビに関わる全ての方々がカオナビの世界観に共感し、結果ファン作りへ繋げています。このようにしてブランドが徐々に確立していくのだと思います。
この記事を通じて、ブランドデザインやオフィスデザインに興味を持ってくれる方が増えたら嬉しいです。
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