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女装娘を探しにミュージアムに 5月号

いにしえの女装の先達たちの活躍を探しに東京国立博物館の浮世絵コーナーに年パスで定期的に通っています。ところが、ここのところ、女装の浮世絵がパタリと出なくなっていたのです。
年パス会員なので、毎月行っているし、女装の浮世絵以外もめちゃくちゃ楽しいので、不満は無いのですが、ちょっと寂しい…
と、思っていたら、今月は女装娘てんこ盛りでした!ありがとうトーハク!
5月14日ー6月9日までの「初期浮世絵の世界」
浮世絵に描かれる女装とは、だいたい3種類で、
1 一番多いのが歌舞伎の女方の俳優
2 市井の女装 
3 見立てという妄想で男性キャラを女性化
1と2が、リアルな江戸時代の女装を反映しているので女装のパイセンとして、見ると嬉しくなります。
今回は、1の女方の俳優が多かったですが、タイトルに女方であると書かれていないと一般の女性とまるで分からないパス度の高さでした。
江戸幕府の風営法的取締で、女装でも男ならおでこを剃らないといけないルールになります。そこで、女方の俳優は剃ったおでこを隠すための、カチューシャのような、スカーフのような、ものをかぶるのが、女装であることを読み解く鍵になります。
こんな感じ👇

荻野沢之丞と松本勘太郎の草紙洗い 伝鳥居清信 (1664~ 1729) 筆  江戸時代。元禄16 年(1703)  細判 丹絵


今回、江戸時代でも古い浮世絵ということですが、多くの絵で、このカチューシャ的な表現がありませんでした。
絵の表現として、リアルな描写をしなかったのか、歌舞伎女方はなんだかんだ剃るのを見逃されていたのか、どちらかワタシはわかりませんが気になるところです。 
この美少女女装は特にワタシ好みでした。

初代市川団蔵の曽我五郎と初代芳澤あやめの大磯の虎 鳥居清信 (生没年不詳) 筆  江戸時代 18世紀 横中判 漆絵

芳澤あやめ?木挽町のあだ討ちの芳澤ほたるさんのモデル??かわいい♥

ワタシが描いた浮世絵(笑)


初代市川団蔵の曽我五郎と四代目市村竹之丞の大磯の虎 鳥居清朝 (生没年不詳) 筆  江戸時代 18世紀 細判 漆絵

鳥居派の絵師たちが女装を好き過ぎたのかしら?いいぞ、鳥居派!もっとかけ!

鳥居清朝(きよとも) 鳥居派の祖である鳥居清信の弟子で、享保2年(1717)から同12年までの約10年間が作画期であると考えられている絵師です。若衆方、若女方などの若く美しい役者を穏やかに描いたことで知られます。



初代市川団蔵と二代目三条勘太郎 鳥居清朝(生没年不祥)  江戸時代 享保2年(1717)  細判 漆絵


四宮平八の久松と二代目三条勘太郎のお染 鳥居清朝 (生没年不詳) 筆 江戸時代 18 世紀 細判 漆絵

下の左は、嵐和歌野ちゃんというふっくらしたかわいい女装娘。右のほうの萩野伊三郎がワタシ好みの美少女装だけど、男役から何まで、なんでもできるスーパー役者だったみたい。

萩野伊三郎と嵐和か野 鳥居清信 (1664 ~ 1729) 筆 江戸時代。享保11 年(1726) 判 漆絵 2 枚続  萩野伊三郎は荒事・実事・和事と幅広い芸域をもつ役者。嵐和歌野は可愛らしい娘役を中心に人気を得た女形です。伊三郎の衣裳につけられた「荒」の字から、役柄は享保11年 (1726) 市村座の顔見世狂言「雛 ヅル常磐源氏」 の荒岡源太ではない かと考えられています。


初代尾上菊五郎の舞子ぎをんお梶 二代鳥居清信(生没年不詳)筆 江戸時代 18世紀 細判 漆絵



出来嶋大助のす多廣お国かぶき 二代鳥居清倍 (1706 ~63) 筆 江戸時代 18世紀 細判 漆絵  吉原の店先に立つ遊女姿の出来嶋大助。着物には真鏡粉が撤かれています。その足元に見える羽織には歌舞伎役者 江戸七太夫の紋があり、本図は享保12年 (1727) 7月に森田座で上演された 「お国歌舞伎」 を題材とし た役者絵と考えられています。 
 

着物には真鏡粉が撤かれています。との説明より、気になるのが、着物には猫が描かれてますってところ。

下の右の初代瀬川菊次郎めちゃんこかわいい♥

初代瀬川菊次郎の八百やお七と二代目三条勘太郎のはこわう  二代鳥居清倍 (1706 ~ 63) 筆  江戸時代 . 18 世紀 細判 漆絵  二代 鳥居 清倍  初代清倍の娘の入婿で、享保9年 (1724) ~宝暦9 年 (1759) 頃に活躍したと考えられています。筆彩で紅を加えた紅絵や真鍛粉を撤いた漆絵、紅を基調とし た版彩版画の紅摺絵などで、主に細判役者絵を多く描 きました。


初代市川雷蔵の奴出来介と二代目芳澤五郎市のけいせい吉岡 鳥居清経 (生没年不詳) 筆 江戸時代 18世紀 細判 紅摺絵 
鳥居 清経 鳥居派三代目清満の弟子。作画期は宝暦7年 (1757) ~安永9年 (1780) 頃までと考えられ、版本挿絵を多く描いたことで知られます。また、一枚絵では鈴木春信の影響を受け、体の線や手、足などを細く華奢に描く独自の画風を確立しました。


ニ代目瀬川菊之丞の 小山田太郎妹お綿  鳥居清経 (生没年不詳) 筆 江戸時代 明和4 年(1767) 細判 紅摺絵 


初代中村富十郎の傘やさんかつと初代山下又太郎のあかねや半七 鳥居清広(?〜1776)筆 江戸時代 18世紀 大判 紅摺絵


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