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黒き炎が見る人の心を焼き尽くす!上村松園の「焔」がヤバい!トーハク「未来の国宝」

雨ですね。そんな雨の日の鬱な気分を吹き飛ばさない、むしろ暗澹たる闇の世界に引きずり込む、超ダウナーな絵を見てきました。トーハクの企画展示「未来の国宝」の第二弾、上村松園「焔(ほのお)」です。大正時代の絵です。

等身大くらい大きい

スゴいです。地獄にともに引きずり込まれるザ生霊!
源氏物語がモチーフとのことですが、歴史だの、文学だの、あんまり関係なく、ただただ色恋の末のダークな心を描いた感じ。
上村松園は、戦前の女性作家の走りで、女性初の文化勲章者。その画風は「良妻賢母」(笑)ってことで、国家認定の画家さんだったそうです。
ところが、やはりアーティストっていうのは、社会的に正しい、なんてものから、時折、逸脱して、ヤバいものを描くんでしょうね。
未来の国宝第1弾の菱川師宣の「見返り美人」は、期待していたのですけど期待に反して、実物を前にあんまりオーラを感じなかったと、前に書きました。

今回の焔は、期待以上にオーラが出まくっていました。
私的には、この作品、来年くらいに国宝でオッケーです!

白眼のところは裏から金泥をさしてるのだそうです。はっきりわからないけど怪しい視線には色々と工夫があるんですね。


今回の女装浮世絵は?

なんと!
無し!(T_T)
トーハクには江戸女装ウォッチの定点観測のために通ってるのですけど、ひと月くらいで代わるテーマ展示は行くまでなにが展示されてるかわからないんですよね。

風景ものが多めでした

前回も、北斎が女装(歌舞伎女方)を女装でなく女性で描いたのしかなくて、ここのところ、女装外しが続いています(;_;)
その代わり?に、大好きなシーシャ絵は、いい感じのがありました。

喜多川歌麿「風流花之香遊 高輪の季夏」
鳥文斎栄之「藤棚下」

あと、女装でないけど美少年はいました。まあこれが女装する前の美少年ってことでいいか。

磯田湖龍斎「亀戸太鼓橋」
鈴木春信「見立伊勢物語」

あと、前回、見返り美人よりイイ!って絶賛したのと同じ工房の作者の、見返り美人がありました。うーん、イマイチ。上村松園の焔と比べたからかなぁ。見返ってない堂々としたやつのほうが好きでした。

懐月堂度種「遊女立姿図」


先月出てた別の作者懐月堂度繁「遊女立姿」。やっぱりこっちのほうが好き


あと、別の建物(東洋館)だけど、焔のどす黒さですっかりダウナーを食らった心をアッパーにしてくれるすごいのがありました。


なんじゃこりゃ!!

東洋館は、いつも空いてる穴場です。ものも半端ないものばかり。

なんじゃこりゃ
なんじゃこりゃ
ほぇーー
アガる〜

どれも日本製だったり、鎌倉時代に輸入されてたりしたら、全部国宝でもおかしくないレベル。戦前に大陸や半島からお安く「購入」したんだろうなぁって…おっと誰かが来たようだ。


続く

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