見出し画像

シャンプー漫遊記 #2 【KKBI〜髪のオーケストラ〜】

#2

都内某所 KKBI

値段:1,500円
所要時間:約30分
タイプ:ガシガシ系


都内某所のメインストリートから一つ道を出た通りにある、店構えがさっぱりと綺麗な23年間続く老舗。
身綺麗なマダムが切り盛りするこの店は、同世代の近隣住民から愛され、共に歳を重ねていったそう。

コックピットに通された際、
「洗う時間がなかったんですか?」
と聞かれ、正直にシャンプーが趣味だと答えたら
「そしたら張り切ってやらなきゃだ!」
と言われてしまい、その店のいつも通りのシャンプーを味わいたいし、評価したい自分としては、次からはこう聞かれた時の理由も考えておかねばと思った。
そしていつも通りで大丈夫だと伝えた。


コックピットは少し前の世代の小さめのもの。
このフィット感も結構好きだ。


髪の濡らし方がとても丁寧だな、と思ったのも束の間、いざシャンプーに入るとガシッ!っと、先程の身綺麗なマダムからは想像のつかない、狩りをする獣のような手つきで頭皮をアタックしてきた。

ガシガシ、ワシワシと激しく頭皮を刺激し、特にアタックのワンタッチ目が本当に強い。それが痒いところに当たるととても気持ちが良い。
先程とのギャップと気持ち良さで思わずニヤけてしまった。

当然ダブルシャンプー。
一度流し、再びあの手つきで頭皮をアタックする。シャワーの水圧も強くて頭皮にダイレクトに水流が当たり気持ちが良い。

そして、二回目を流したら、蒸しタオルを首に当てた後にトリートメント。
すると、
「2分待ちますね」
としっかりタイマーをセット。

この2分間がすごかった。
目を閉じて、首に当てた蒸しタオルの暖かさを感じていると、先ほどまで気付かなかった店内BGMの穏やかなクラシックが聴こえてくる。
それがなんと心地よいこと。

この心地よさに浸りながらある考えが浮かんできた。
今は穏やかなクラシックが流れているけど、シャンプーの際はもしかしてオーケストラが躍動するような激しい曲が流れていたのでは?と思った。

もしそうなら、あの激しいシャンプーも説明がつく。
もしかしたら、マダムは、激しいクラシックに合わせて指揮するようにシャンプーをしていたのではないだろうか。
マダムは、髪のオーケストラの、指揮者だったのだ。


そんな事を考えているとタイマーが鳴り、たっぷり溜まった熱いお湯の中にトリートメントした髪をゆっくりとくぐらせ実質風呂になった後、パンパンと激しくタオルドライ。高低差がすごい。

仕上げはカット台に移動し、頭皮にクールなスプレーをしてもらい、なんとあのUFOみたいな機械でヘッドマッサージをこれでもかというくらいしてもらった。


以上。


身も心も揺さぶる至れり尽くせりな施術で¥1,500なんて最高すぎる。リピート確定。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?