授業をデザインする5つのヒント ❹右をやったら左も
(4)右をやったら左も
前後、左右、上下の方向には、発達の順序があります。
発達の早い順番に並べてみましょう。
答えは、
① 上下
② 前後
③ 左右
と言われています。
生まれた赤ちゃんが、成長する過程で考えるとわかります。
寝てる状態からハイハイするようになると、目線が下から上に上がります。
さらに、ハイハイで前に進み、進めなければ後ろに戻ります。
やがて、周りに興味が移ると、左右に顔を向けて手を伸ばすようになりますよね。
しかし、発達に遅れや偏りのある子どもたちは、身体意識や協応性を自然に獲得する力の弱さがあります。
そこで、子どもたちの発達を効果的・効率的に促すために、意図的に動きを促すようにします。
例えば、体育でボールを扱う活動では、右手だけではなく両手、左手も使うことで、ボールと自分の体の使い方を意識することができます。
また、体の「前」でボールを扱うだけではなく、「後ろ」にボールを回したり、背中で捕ったりすることで、身体意識をより精緻なものにすることができます。
右手⇄左手、前⇄後ろ、上⇄下、伸ばす⇄縮む、投げる⇄とる…
このように、必ず、反対の方向、反対の動きをセットにする運動や活動を組み込みます。
私たちが環境に働きかけるときの基準は、自分の体です。
自分の体を中心に外の世界を理解していきます。
そのためまず、自分の体をよりよく知ることを、授業の中にデザインしてみましょう。
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