2023.11.10
大分滞在2日目。
瀧廉太郎といえば、誰でもその名前くらいは耳にしたことがあるでしょう。小学校の音楽の教科書に載っている、『荒城の月』を作曲した人です。逆に言うと、それ以上のことは知らないのでは? もっとも、自分も同じですけど。
普段の生活であまり意識することがない人物。でも、偉人であることは間違いない。そんな人物に出会える場所があるとしたらどうでしょう。瀧廉太郎がおれに会いたがっているとしたら?(言い過ぎ)
彼はいま岡城跡にいるという話を聞きつけ、そぼ降る雨の中を急行します。先生、カバンお持ちします!
岡城は1185年築城という、ちょっと昔すぎてよく聞き取れませんが、非常に歴史の長い城です。城へとつながる坂道は、かつて城下町が広がっていたのでしょうか。竹細工が有名でお店もある。
味あるねぇ😁。城壁を模した壁もいいかんじです。このペンションからはどんな夜景が見えるんでしょうか。
宝物殿がこんな無造作に! でも、残念ながら本日は閉まっておりました。右手にはペンションの正面玄関。え、ビジネスホテル? とてもそうは見えないが……。
しばらく歩くと、入口が見えてきた。奥には杖も用意されています。結構な距離を登っていくことになるので、お年寄りにはありがたいサービスです🙂
AR対応。カメラの中にバーチャルワールドが写りこむ、ポケモンGoとかでよく見るアレです。いまや、いろんな史跡・遺構でこのサービスは標準装備の勢いですね。
そしてこの警告文もおなじみ。文化財周辺では特によく見ます。破損事故が起きると修復できない場合もあるからでしょうが。
これ、最後まで悩んで結局買わなかったんですが、いまになってちょっと後悔しています。いまだ在庫アリだと思います。中央に書いてあるコメントもいちいち素敵です😆
年パスもあります。たしかに季節ごとの景色はそれぞれ違うだろうけれど、1年間にそう何回もおとずれる場所じゃない気もするが……。
「最強の城」説まで登場。何をもって最強というのかと思ったら、TV番組で芸能人がえらんだ好きな城だって。しかし、その選定理由やゲストのコメントが……お前ら、いいかげんにしろ😁
この3つの記号は並列に置いていいんだろうか。先は長い。トイレを済ませていざ出発です。
ここまできて、ようやく「あぁ、岡城跡に来たんだ」と自覚する。
空はあいにくの雨模様ですが、季節的に紅葉がきれい。
それっぽいショット😄
ただし、城跡なのでね。あるていど地面を均してあるとはいえ、すぐ横は崖です。落ちたらひとたまりもない。ましてや雨天につき、石階段もツルツルしていて、正直あぶないです。
それにしても長い。勾配もけっこうキツイ。さすが難攻不落の竹田城。登り始めたころの軽口をたたく元気はどこへやら、途中から口数も減り、しまいには無口に……😵💫
ようやく登頂。ぐはぁ、つ、つかれた。案内板を発見。本丸跡はこっちか。先生の像もある。よし、先を目指そう。ん? 登城バス乗り場……だと? いや、そんなわけ、ない。
正門があったと思われるところから入城します。
いま帰ったぞ。誰もおらんのか~?
何だろう、むこうに何かある。
お社が建っていました。天満神社とかいてある。
手前にはあの名曲 "The moon of the ruined castle"🎸
そして、ようやく見えてきた今回の最終目的地。瀧廉太郎 像です。このために登ってきたといっても過言ではない。先生、お元気ですか?!
棋聖や拳聖は聞いたことあるけど、楽聖という言葉は知らなかった。さすが偉人です。わたくし、かつて北海道で「唄う細川たかし記念像」へ会うために何時間もかけて旅したことがありますんで、銅像鑑賞については自分なりのこだわりがあります。
まずは当然、革靴のチェックでしょう。人の本当の姿は靴に現れるとも言いますからね。どれどれ? Uチップのスタンダードなビジネスシューズか。よく手入れされた光沢のある表面からは、彼の几帳面な性格の一端が垣間見られます。
袖のボタン。スタイルオーダーで選んでつけてもらったんでしょう。
それにしても、腰かけている台に掘られたエジプト壁画みたいなこれはいったい?
この彫像は瀧廉太郎のご学友である彫刻家、朝倉文夫が作成したもの。衝撃的なのは、この彫像が朝倉氏の記憶の中にある瀧廉太郎のイメージをもとに作られたものだということ。写真とか見て作ったんじゃなくて、あくまで「おれの瀧廉太郎」だったのか。
芸術家の指先。このしなやかな指から、あの旋律が紡がれたわけであります。
シルクかな? いいネクタイしてます。
先生のご尊顔を接写。瀧廉太郎の髪の分け目をここまで間近にとらえたショットは、世の中にこれくらいだと思われます。
存分に先生との邂逅を満喫し、その場を後にする。遠くから睨まれている気もするが……😅
隣接した建物にはピアノがおいてありました。ストリートピアノ的なやつでしょうか。
「あなたも瀧廉太郎になりきって弾いてみよう」という、非常に高いプレッシャーをかけてくる。
先生、悪ノリしてごめんなさい。このお詫びの声は聴こえているでしょうか😭