ポーランド人、フランス人、ドイツ人はウクライナやロシアに対してどのように思っているのでしょうか?

お国柄でしょうか、ポーランドのファクトチェック団体は一味違うファクトチェックのやり方をしています。

  1. 右翼政党の下院議員のレポートを掲載する。

  2. そのレポートについて裏取りをして、#デマ を調べて報告する。

*なお、直訳すると意味不明となる文に関して一部意訳している所がありますのでご了承下さい。

【Krzysztof Bosak下院議員の略歴】

姓名:Krzysztof Bosak
生年月日・出身地:1982年6月13日、 Zielona Góra
学歴:高卒
大学の学位取得: なし。複数の大学をいずれも中退。
職業:社会活動家
政党:Konfederacja(自由独立連合)
   《特徴》国家保守主義, 保守自由主義, 欧州懐疑主義強硬派、国粋主義
   ➡ #EU嫌い#右翼 政党ってことです。
   ➡当然思想バイアスはありますw。   
当選日:13-10-2019
選挙区県:Swietokrzyskie
選挙区地方: 33 Kielce
得票数:22158

【Krzysztof Bosak下院議員のレポートの主張要旨】

  • ポーランドは、90%が親ウクライナ

  • フランスは、52%が親ロシア

  • ドイツでは、ウクライナを助けたり武器を与えたりすべきではないと考える人が過半数

【評定】情報操作を意図した #デマ

【分析概要】

  • 戦争が始まって2週間後、90%のポーランド人がポーランド領土に住むウクライナ人に対して肯定的な態度を表明しました。否定的な態度は5%に過ぎませんでした。

  • 48%のポーランド人がポーランドにいるロシア人に対して肯定的な態度を表明しました。否定的な態度をとる人は、調査対象者の35%でした。

  • ウクライナ侵攻前に行なわれたCBOSの調査では、41%がウクライナ人に対して肯定的な態度を示し、25%が否定的な態度を示していました。ロシア人の場合、29%が共感、38%が嫌悪を表明しています。

  • 3月末に行われたフランスの世論調査では、52%のフランス人がロシア側が流した偽情報を少なくとも1つは信じていることが分かりました。

  • 今年1月末に行われたドイツの世論調査によりますと、ドイツ人の過半数(69%)がウクライナへの武器供与に反対しています。

  • 既にロシアの侵攻が始まってからも、3月上旬に同じドイツのメディアが再び世論調査を依頼し、ウクライナへの武器供与に対するドイツ人の態度を調査しています。ウクライナ侵攻は、この問題に対するドイツ社会の意見を大きく変えました。何故なら、調査対象の60%もの人々が、ウクライナへの武器供与に賛成しているからです。

  • ドイツの世論調査の場合は古いデータを参照し、フランスの世論調査のデータを過大解釈し(少なくとも1つの誤った情報を信じることは、ロシアが正しいと信じることと同じではない)、ポーランド社会は90%以上親ウクライナ・反ロシアであり、調査対象グループのロシア人(一般ではなくポーランド在住の人々であることに注意)に対する否定的態度は35%と主張しているので、我々はKrzysztof Bosak氏の発言を《情報操作したい人の #デマであると見做します。

EUのエネルギー連帯とBosak

Krzysztof Bosak氏は "Onet Opinions" という番組で、ポーランド社会が親ウクライナ、反ロシアの傾向が強いため、ポーランド政府は最近多くの見せしめの行動をとっていると述べました。同議員によりますと、ポーランド人の雰囲気は、フランスやドイツの雰囲気とは明らかに異なっているとのことです。Bosak議員はまた、ドイツとフランス政府はエネルギーの連帯を破り、ロシアからの原材料購入に対する制裁措置の発動に反対していると批判しました。

OKO.pressが依頼した調査

この調査は、ロシアのウクライナ侵攻から2週間後にイプソス社によって行なわれました。OKO.pressのサイトにもありますように、感情や意見が固まってきている時期です。それでも、この世論調査は「現時点のスナップショット」と見るべきでしょう。何故なら、ロシアの血生臭い侵略はまだ続いており、プロパガンダによって宣伝される外国人嫌いで反ウクライナ的な物語は、ポーランド人とウクライナ人の反感を買うように作られているからです。調査の対象は、ポーランド人のポーランドに住むウクライナ人やロシア人に対する態度を確認することでした。そのために、回答者には次のような2つの質問をしました。:

  • ポーランドに滞在しているウクライナ人に対して、あなたはどのような態度をとっていますか?

  • ポーランドに滞在しているロシア人に対するあなたの意識は?

イプソス社によりますと、61%もの回答者が、ウクライナからの難民を助けるキャンペーンに参加したことがあると答えています。2週間の戦争後、ポーランドに滞在しているウクライナ人に対して、回答者の90%が肯定的な態度を持っていました。否定的な態度はわずか5%でした。

社会集団によるウクライナ人に対する態度の違い

男性では、「間違いなく肯定的」とする人が女性よりやや少ないです(それぞれ39%、48%)。また、連帯の支持者(21%)は、他の政党の支持者に比べて、この回答を選択する割合が低いです。 これらの結果は、将来を楽観的に見ることが出来ます。唯一憂慮すべきデータは、主に18-29歳の年齢層と連帯支持者の男性において、「強く肯定的」という指示の割合が比較的低いことです。この2つのグループは、ほぼ同じであるが、今後、反難民のレトリックに弱い可能性があります。

ポーランドに住むロシア人に対する態度

ポーランドに住むロシア人に対して肯定的な態度を示す人は48%でした。否定的な態度をとる人は35%と少ないです。逆に、明確な意見を持っていない人は、調査対象者の17%を占めました。

他国に対するポーランド人の態度についてのCBOS調査

他国に対するポーランド人の態度に関する最新のCBOS調査は、ロシアがウクライナに侵攻する前に実施されました(2022年1月3日から13日まで実施されました)。
ウクライナ人への同情は回答者の41%によって表現され、無関心な態度は回答者の27%によって特徴づけられ、嫌悪感は回答者の25%によって特徴付けられました。
調査によりますと、ポーランド人のロシア人に対する好意的な態度は著しく低いです。ロシア人への共感は29%、無関心は27%、嫌悪は38%でした。

フランスIfop世論調査

フランスのIfop社が行った世論調査(3月28日発表)によりますと、調査対象のフランス人の半数以上(52%)が、ウクライナ侵攻の起源に関するロシアの偽情報を少なくとも1つは信じていることが明らかになりました。これらは以下の通りです。これらに関するロシアのシナリオは以下の通りです。:

  • ウクライナは米国や欧州連合諸国から、ロシアから保護されるためにNATOへの統合を目指すよう奨励されていること

  • ロシアのウクライナ侵攻は、ウクライナ政府による迫害から解放されたいと願うロシア語を話すウクライナ人によって支持されている。

  • 一部の地域では、ロシア語を話す住民が、ウクライナ当局による長年の差別と侵略を受けている。

  • ロシアのウクライナ侵攻は、ウクライナがNATOに統合され、ロシアの脅威となる危険性があるため、正当化される。

  • ウクライナは現在、ネオナチ運動が入り込んだ独裁政権によって運営されている。

ウクライナへの武器供与に関するドイツ人の意見

ウクライナ侵攻前

今年1月末にRTLが行なった調査によりますと、ドイツ人の69%がウクライナへの武器供与に反対していました。ドイツ西部では83%もの人が供給に反対し、東部では67%でした。

ウクライナとロシアの紛争は、ドイツへのロシアのガス供給をボトルネックにすると考える回答者が大半(61%)でした。一方、33%は、危機がそのような複雑な事態を引き起こすことはないと考えています。

41%の回答者は、まだ稼働していないNord Stream 2を少なくとも当分の間は稼働させるべきではないと考えています。一方、51%の人々は、このガスパイプラインは予定通り稼働させるべきだと考えています。

ウクライナ侵攻後

3月第1週に行なわれた、RTLの依頼による再度の世論調査では、ロシアの侵略によって、ウクライナへの武器の引き渡しに対するドイツ人の見解が変化したことが示されました。

データによりますと、ドイツ人の60%がウクライナに武器を送ることは正しいと考えています。29パーセントのドイツ人が反対しています。

ドイツ人の大多数(68%)は、ガス供給のボトルネックが予想されるため、今年予定されている原子力発電所の停止を再考すべきと考えています。最後の原発を予定通り停止すべきと考えているのは25%に過ぎません。

フランスのIfopが4カ国で行なった調査でも、同様の結論に達しています。:調査対象国はフランス、ドイツ、ポーランド、イタリアの4カ国でです。ウクライナに武器を送ることへの支持を表明したのは、

  • フランス :65%

  • ドイツ  :66%

  • ポーランド:91%

  • イタリア :57%

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