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03.アイスホッケー in Finland🇫🇮

Moi!

フィンランドは首都圏封鎖が始まってから2週間が経ち、僕はようやっと田舎暮らしの生活にも慣れてきました。日本ではようやく外出自粛令が発せられたようですが、皆さんどの様にお過ごしでしょうか?もはやパンデミックとなってしまった新型コロナウイルスが一早く収束する事を願うばかりです。

今回は、前回の終わりにも書いた様に「フィンランドでのアイスホッケー」について書きたいと思います。いよ!待ってました!と思って頂けているのであれば何よりです。笑 フィンランドってどれくらい強いの?フィンランド内でのリーグ編成は?育成環境は?などたくさんの質問をいただいたので、僕の知っている範囲内の知識で応えられるだけ書きたいと思います!

現世界チャンピオン:フィンランド

約一年前、まだ記憶にも新しいですがフィンランドが世界選手権で優勝しました!すごいのがただ優勝した訳じゃないんです。世界最高峰のNHLで戦うスーパスター選手を招集して大会に参加したアメリカ、カナダ、ロシア、そしてスウェーデンとのライバル国とは裏腹に、自国のスーパースターを呼ばずに世界的には無名な選手達を国内リーグやヨーロッパの各リーグから選出し世界選手権に臨み、ライバル達に競り勝ち優勝を掴んだんです!「えー、じゃあ選手層厚いんだ。」と思われますが、他国とアイスホッケー人口を比較してみましょう。

・1位 カナダ🇨🇦約62万人
・2位 アメリカ🇺🇸約57万人
・3位 チェコ🇨🇿約12万人
・4位 ロシア🇷🇺約11万人
・5位 フィンランド🇫🇮約6万人
・6位 スウェーデン🇸🇪約6万人
・10位 日本🇯🇵約2万人             (2019年)

お気づきになられたと思いますが、カナダの10分の1しか競技人口がいないんです!小国でありながら大国と対等に戦い、さらには世界選手権で優勝もする現世界チャンピオン。それが僕のプレーするフィンランドという国です。世界ランキングでも3位という好位置(FIFAサッカーでいうとブラジル、FIBAバスケでいえばオーストラリアといったところ)。この裏には国内での育成システムが整ってるという背景があるので、その事について書こうと思います。

フィンランド流育成システム

フィンランドが育成に力を入れ始めたのが今から10年ほど前のこと。最大のライバル国であるスウェーデンに先を越され焦りを感じ始めたのが理由だと元々フィンランドの連盟で働いてた人から聞きました。笑(フィンランド人のスウェーデンに対するライバル心は半端ないです。特にアイスホッケーに関しては。笑)
それまで20歳以下はシニアのトップリーグでプレーできなかったのを才能さえあればプレーできる制度を作り、トップチームと提携を結んでいる下部のチームとの行き来をシーズン中でも可能に! こうすることで、若い選手達にも早い段階でレベルの高いシニアでの経験を積ませることができる様になりました。ゴールキーパー育成国としても有名なフィンランドですが、そこにはジュニア世代のチームには必ずゴールキーパー専門コーチが就いて指導しているという背景があります。又、2012年にスウェーデンと協同開催した選手権の利益を国内のコーチの指導に当て、選手だけではなく指導者のレベル向上にも力を入れています。
その成果は目に見えるようになってきており、NHLにドラフトされる選手が年々増えているのに加え、ジュニアのU18・U20世代合わせて直近の6年間で金メダルを5つ(U18:2つ、U20:3つ)獲得しています。

シニアですが、KHL(ロシアトップリーグ)を除いた中ではフィンランド人に聞くと欧州で一番レベルの高いLiigaが国内リーグとして存在しています。あくまでもフィンランド人に聞くとLiigaが欧州一ですが、実際には財政面やファンの規模を考えるとスウェーデンのSHLやスイスのNLAが欧州一かと。笑 まぁ、お金のない国だし人口少ないし…(フィンランドの人口=東京の半分の人口)と僕はフィンランドをフォローしておきます。笑 どちらにせよレベルが高い!必然と2部、3部と下部リーグのレベルも高くなってきます。じゃあフィンランドのリーグ構成ってどうなってるの?と思われるので説明したいと思います!

フィンランドアイスホッケーのリーグ構造

さて、フィンランドの国内リーグですが細かく世代毎に分けられています。・・・U10(F), U12(E), U14(D), U16(C), U18(B), U20(A)という様に2歳差で世代が上がって行き、U20世代が終わるとシニアと上がります。又、それぞれの年代内でさらにレベル分けがされており、SMLiiga(1部)から順々にMestis(2部)、Suomisarja(3部)、II Divisioona(4部)、Ⅲ Divisioona(5部)、Ⅳ Divisioona(6部)・・・とレベルが下がっていきます。年代やシーズンによっては柔軟に対応し新たなリーグを設けたりすることも珍しくありません。

誰もが自分のレベルにあったリーグが見つけられる。」それがフィンランドの良さだと僕は思います。自分のレベルがわからなければそもそも自分がどこに向かって頑張っているのか、何を目標としてプレーしているのかもわかりませんし、そういうことも踏まえた上でこの様に細かくレベル分けされているのはいいことです。
チーム数ですが、シニアだけ数えるとLiigaには15チーム、Mestisには12チーム、Suomisarjaには16チームあります。かなり少ないですね…人口が少なく、リーグを拡大したくてもお金もがないので仕方ありません。笑

興味のある方のためにトップリーグLiigaのホームページを貼っておきます↓

次はジュニア世代を終えた選手達について!
Jesse PuljujärviSebastian AhoPatrik Laineなどの将来スーパースターになる様な選手は既に国内でジュニア世代の時にシニアトップリーグ(Liiga/Mestis)での試合を経験しており、ドラフトと同時にアメリカ・カナダへと渡っているので国内に残ったジュニア世代を終えた選手達について書きたいと思います。

例外などもあるので、大多数の選手達がどの様にシニアに上がるのか、その流れを説明します。
U20Liigaで大活躍した選手達はシニアのLiiga/Mestisに所属するチームと直接契約します。Liigaと契約した選手でさえ、まだルーキーなので試合経験を積むためにチームが提携してる下部リーグのチームの試合に出ることがありますが、シーズンのほとんどを契約したチームと過ごします。U20Liigaでそこそこ活躍した選手はMestisに属するチームと契約し、U20Liigaで活躍はしていないけどプレーしていた選手、U20Mestisで活躍した選手達は主にSuomisarjaに所属するチームと契約を結びチームの主力としてシーズンを過ごします。U20Mestisで活躍はしていないけどプレーしていた選手より下のレベルの選手達はSuomisarjaより下のリーグへと行きます。
あくまでも国内に残ったジュニア世代を終えた選手達の大まかな進路です。僕自身は現在Suomisarjaでプレーしているので、一つ上のレベルにあるMestisでプレーする事が僕の直近の目標となります!

終わりに

いかがでしたでしょうか?下手な説明だったとは思いますが、フィンランドの凄さ、育成システムにリーグ構造についてちゃんと皆さんに伝わったでしょうか?伝わってくれ!( ´Д`)y━

次回ですが、僕のプレーするリーグ「フィンランド3部Suomisarjaの実態」について書きたいと思います!セミプロってどんな生活なの?どんな選手がいるの?ここら辺の質問に応えられるよう僕自身の経験談も含めて書きたいと思います!

それではまた!Nähdään!
Ter. Shuma

【告知:アイスホッケーフィンランド組 インスタグラムLive】

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先週の日曜日にアイスホッケー北米組によって行われたインスタライブ企画、ご覧になられた方も多いと思います。そんな彼らの「新型コロナウイルスの影響で暗い雰囲気が漂う今だからこそ、アイスホッケー界に明るい話題を提供したい!」という熱い想いに触発され、フィンランド組もインスタグラムを使用したLive配信を行うことにしました!

参加者は今シーズンフィンランドで戦ってきた4名、僕(杵渕周真)、黒川奈津美選手、伊藤崇之選手、澤尻誠人選手。さらに、スペシャルゲストとして、現日本代表/ひがし北海道クレインズでご活躍されていてフィンランドでもプレー経験のある蓑島圭悟選手に参加して頂きます!

僕が司会進行役を務め、時間を区切ってそれぞれ選手に出演して頂くというラジオ形式で配信する予定です。

シニアホッケーだけに限らず、ジュニア世代、女子リーグ、フィンランドでの育成や日常生活についてなど幅広く語ります!選手によって話すテーマは変わってくるので、お気に入りの選手だけを聞くのもよし!最初から最後まで聞くのもよし!そこは皆様にお任せします!

日時:4月18日(土) 日本時間19時配信開始

19:00-19:45
黒川奈津美選手[世界屈指の女子トップリーグ]

19:50-20:10
澤尻誠人選手[高校卒業後フィンランドへ]

20:15-21:00
蓑島圭悟選手[フィンランドでの3ヶ月]

21:10-21:40
伊藤崇之選手[ GK育成大国フィンランドで感じたこと]

選手それぞれのインスタグラムは以下経歴と共にリンクを貼ってあるので、そこからフォロー出来ます!
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黒川奈津美
生年月日:1996年6月28日
出身地:東京都小金井市
身長:165cm
ポジション:DF
所属チーム: HPK(女子🇫🇮1部)
経歴:西武東大和ジュニア→西武プリンセスラビッツ→Banff Hockey Academy(🇨🇦CSSHL)→NAIT(🇨🇦ACAC)→HPK(Naisten Liiga/🇫🇮1部)
インスタ:https://www.instagram.com/kuronatsu72/?hl=en

澤尻誠人
生年月日:2000年10月31日
出身地:北海道苫小牧市
身長・体重:165cm・70kg
ポジション:FW
所属チーム: KJT-Haukat Akatemia(U20🇫🇮3部)
経歴:→北海高校→KJT-Haukat Akatemia(U20🇫🇮3部)
インスタ:https://www.instagram.com/makotosawajiri1932/?hl=en

蓑島圭悟
生年月日:1996年8月24日
出身地:北海道帯広市
身長・体重:180cm・83kg
ポジション:DF
所属チーム: ひがし北海道クレインズ(アジアリーグ)
経歴:Vortex大空→大空中学校→白樺学園→中央大学→Haukat(Suomisarja🇫🇮3部)→中央大学→ひがし北海道クレインズ(アジアリーグ)
インスタ:https://www.instagram.com/wand65stk/?hl=en

伊藤崇之
生年月日:1996年4月14日
出身地:長野県長野市
身長・体重:183cm・75kg
ポジション:GK
所属チーム: Laser HT(Suomisarja🇫🇮3部)
経歴:長野イーグルス →軽井沢グリフィンズ →水戸啓明高校→法政大学→Laser HT(Suomisarja🇫🇮3部)
インスタ:https://www.instagram.com/33taka/?hl=en

杵渕周真(ジョセフ・ケンジ・ホーキンス-杵渕)
生年月日:1997年7月14日
出身地:カルフォルニア、バークレー
身長・体重:190cm・92kg
ポジション:DF
所属チーム: Haukat(Suomisarja🇫🇮3部)
経歴:西武ホワイトベアーズ→西武東大和ジュニア→北海道苫小牧東高校→IHK(U18/U20🇫🇮4部)→KJT-Haukat Akatemia(U20🇫🇮3部)→KJT-Haukat(U20🇫🇮2部)→KJT(Suomisarja🇫🇮3部)→KJT-Haukat→Haukat(Suomisarja🇫🇮3部)
インスタ:https://www.instagram.com/hawkins_kinebuchi/?hl=en


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