マガジンのカバー画像

反体制ハードボイルド小説『黒ヘル戦記』

13
『情況』(変革のための総合誌)に掲載された連作小説。 一九八〇年代から九〇年代にかけて、首都のど真ん中にキャンパスを持つ外堀大学はたびたび学園紛争に揺れた。正門にバリケードを築き…
¥1,000
運営しているクリエイター

#内ゲバ

黒ヘル戦記 第九話(最終回) 空席

黒ヘル戦記 第九話(最終回) 空席

『情況』2022年夏号に掲載された反体制ハードボイルド小説

第九話 空席
1977年12月、内ゲバ事件が発生し、外堀大学の学生が殺人罪で逮捕された。この事件によって「人殺しの弟」となった男が、犯罪加害者家族の苦悩の日々を語る。

 革命家になると、それまでとは違う人生が始まる。行動範囲、交友関係、生活習慣のすべてが変わる。
 が、人生が変わるのは革命家本人だけではない。家族の人生も変わる。
 革

もっとみる
黒ヘル戦記 第一話 詐病

黒ヘル戦記 第一話 詐病

『情況』2020年冬号に掲載された反体制ハードボイルド小説

第一話 詐病
1992年12月、板橋区の居酒屋から警察に通報があった。「客同士が喧嘩を始めて収拾がつかない」という。この酔っ払いの喧嘩に、なぜか、警視庁は公安刑事を派遣した。事件の背後に何があったのか。

「君は正気なのか。正気で言っているのか?」
「正気ですとも。私は卑怯者です。だけど、正気なんです」
『カラマーゾフの兄弟』より

 

もっとみる