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【CO2削減プラスチックを製造】技術者からディープテック起業家へ転身した理由-女性社長コラム#6

女性社長.net編集部です。
女性社長コラムでは、女性社長.net会員様に執筆していただいたコラムをお届けしていきます。

この記事はこんな方にオススメ!
・社会的な問題に取り組むことをビジネスの中心に据えたいと考えている方
・キャリアの岐路に立ち、今後を悩んでいる女性
・ディープテック・スタートアップに興味を持つ投資家やサポーター

第6弾となる「女性社長コラム」は、株式会社ベホマルの西原麻友子さんです。大手電子部品メーカーでの研究職を経て、バイオマスCO2吸収材の開発、製造販売を行う会社を起業し、環境問題の解決に挑んでいます。第10回J300アワードでは大賞を受賞など、各方面から注目を集めている女性起業家ですが、そんな西原さんに、今回、(編集部からすると)まったく知らなかった起業までの道のりを書いていただきました。

それでは、どうぞ !



起業するまで起業家になるとは思ってもみませんでした。しかも環境系ディープテックスタートアップという、時間もお金もかかり、難易度の高い領域です。
楽な道を選べばよかったのでは? 
と思うときも多々ありますが、「子供たちに美しい地球を残したい」その想いを胸に活動中です。

環境への情熱のルーツは子供時代

そんな私が最初に環境に興味を持ったのは、小学生のころです。両親がともに日本画家で、スケッチ旅行と題して、スケッチブックを片手に旅をし、風景や植物を観察し絵を描く。

その過程で、自然とはなんと精密に出来ていて、綺麗なんだろうと感じたのを覚えています。

そのころテレビでは、環境破壊のニュースやドキュメンタリーが多く、環境問題を解決できる人間になりたい、手に職、技術者になろうということで技術者になり、大学院卒業後、㈱村田製作所に研究職として勤務しました。
そして結婚、妊娠。充実した日々でした。

突然の試練と、もがいた先で得たシンプルな答え

でも妊娠6カ月目を迎えたある日、胃のあたりに強い痛みを感じ、病院へ。診断は「HELLP症候群」。重篤な妊産婦救急疾患で、すぐに妊娠を中断しなければ命の危険があると言われました。
諦めるしかありませんでした。泣くしかありませんでした。
その後再度妊娠、長男が生まれました。何気ない日々に幸福を感じるも、時折ふと子供の命を奪って生き永らえたという罪悪感が、ずっと胸に刺さっていました。

復帰後の仕事は、新規事業の企画が通らず、全く前に進まずメンタル面で不調になっていました。せっかく見つけた技術アイデアを前に、何も出来ない自分。このままでいいのか? 私は亡くなった子の分まで、胸をはれる人生になっているのか? 生まれてきてくれた息子に美しい地球環境を残せるのか?
何が悪いのかわからなくなり、会社の外に答えを探しに行きました。夜間に社会人学生として事業構想大学院大学に通い、一から2年間勉強。得られた答えはシンプルでした。

「動け」

動いた先にしか結果は得られない。頭の中でしか考えていない事業構想は“事業妄想”でしかない。動かずに後悔するより、動いて後悔。
15年働いた安定した会社員生活を後にし、何も後ろ盾もない中、たった一人の無謀なチャレンジがスタートしました。そこから多くの方の支援やアドバイスがあり、複数の賞や助成金採択をいただき、メンバーも増えてきました。

一人一人が勇気を出して前に進む

一人一人が勇気を出して前に進むこと、それが環境問題の解決には必要だと思います。株式会社ベホマルのビジョンは「地球を救う勇者になろう」、自分への戒め、ステークホルダーや世の中への声掛けの意味を込めています。

塵も積もれば山となる、あなたも一緒に勇者になりませんか?


最後に:自分を元気にする言葉

編集部:西原さんより、ご自身を元気にする言葉をいただきましたので紹介します。

「人生万事塞翁が馬」

「やらずに後悔するよりやって後悔」

西原さん:どんなにツライことがあっても、後々振り返ると良いことになる事もある。
ただしその時に何もせず動かなければ後悔することになるので、動いて後悔したとしても、あの時の経験が結果良かったな、と振り返られる人生を送りたいと思っています。

【西原さんプロフィール】
大学卒業後、大手電子部品メーカーに入社、工法材料の研究開発、信頼性技術開発、環境技術開発に従事。研究者として15年の実績を持つ。社会人学生として事業構想大学院大学での学びを経て、2022年11月株式会社ベホマルを創業。バイオマスCO2吸収材を開発し、CO2削減プラスチックの製造を通して、地球温暖化解決を目指す。2023年度J300アワード大賞受賞。

株式会社ベホマルHP:https://www.behomal.co.jp/company/

女性社長.netよりひとこと

西原さん、お忙しい中、コラム執筆をありがとうございました。

西原さんとは、2023年J300アワードで初めてお会いしました。アワードの面談審査で「ディープテックでユニコーン企業を目指している」と話されていた西原さん。研究者としての実績と、将来性が高く評価され、創業1年にして第10回J300アワードで大賞受賞となりました。研究開発・資金調達を精力的に行われており、注目も応援もしている女性起業家様です。
今回執筆頂いたコラムでは、編集部としては西原さんの異なる一面を拝見した気分に。同じように壁にぶつかっている方がいらっしゃったら、きっと何かしらの形で心強いメッセージになるのではないかと思っています。

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