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【三重県いなべ市の古民家レストラン】マグロのように走り続ける経営者の、多忙でも成功する秘訣-女性社長コラム#7

女性社長.net編集部です。
女性社長コラムでは、女性社長.net会員様に執筆していただいたコラムをお届けしていきます。

【この記事はこんな方におすすめ】
・「地域活性」をテーマに事業を展開している、これから展開しようとしている方
・多岐にわたる事業展開を検討している方
・飲食店経営に興味があるが踏み出せずにいる方
・持続可能な経営に悩む方、とどまることを知らず常に動き続けている方

第7弾となる「女性社長コラム」は、三重県いなべ市で「地域活性化」をキーワードとしながら飲食店経営や商品開発を行う株式会社イナベキカク 山崎 基子さんにご執筆いただきました。止まることなく三重で精力的に活動する山崎さんのターニングポイントとなるあれこれを書いていただきました。

それでは、どうぞ !



周囲から『マグロのやまちゃん』と呼ばれることが度々あります。当の本人といえば『そう?普通なんだけど?』と思うのですが、15歳で初めてアルバイトをしてから飲食店、ラジオのパーソナリティ、コーチング、農業技術師、保育士、、、同時に2,3個の仕事を並行し、、、数えてみると26年で23種類の仕事をしていました。

そうなると『確かに』と納得。『一度やると決めたら、成果が出るまでやめない』『気になったらやってみないと気が済まない』という性格が「マグロ」にさせたのかもしれません。でも「大変」と思ったことは一度もなく、とにかく仕事が好きで好きで寝るよりも食べることよりも前に向かって走ることにやりがいを感じていました。

そんな私は現在、三重県いなべ市の山奥で商品開発を主とする個人事業『Mikkeproject』(6期目)と、空き家を活用した地域活性化事業『株式会社イナベキカク』(3期目)を経営しています。主に後社が運営している『okudo中村舎(おくどなかむらや)』という築220年、江戸時代の庄屋さんの建物でおくどさん(かまど)で炊いたご飯を提供する古民家レストランの女将として立っています。今年でオープン3年目となり、地元の方から県外、海外からもお客様が来て下さるお店に成長してきました。

きっかけは不妊治療

私は子どもが大好きで、20代半ばから保育士として働いていました。結婚したら子どもを沢山産んで仕事を続けようと思っていましたが、結婚はできたものの子宝に恵まれず辛い治療と流産の繰り返し。
不定期かつ時間がかかる病院通いは私の性分に合わず、『もう辞め!子どもがいる人生が全てじゃない。自分の好きなことをする!』と吹っ切れたのが30歳。
大好きな保育の仕事でしたがそれを辞め、自分の興味のあることに邁進するようになりました。

あの時「幸せ(答え)は1つじゃない」と視野を広げられたことが、転機となったのです。

飲食店は絶対にしないと決めていた!のに…
原動力で事業継続の難しさを超える

古民家カフェで働いていた際、お客様との距離感が近くとても楽しい毎日でした。私もこうしたお店をしたいな~と思いましたが、飲食業は多くの業種の中でも簡単に開業できますが、生存率は1年で4割。10年で1割以下と言われるほど難しい世界。
それは労働時間に対しての利益率が低く、固定費が高いところにあります。
店長として働きながら「こりゃ確かに難しいわ」と実感。しかし『食』に係る仕事がしたかったので、飲食店ではなく地元の食材を生かした商品開発の会社を立ち上げたのでした。

しかし、、、やっぱり飲食の世界に戻ってきてしまいました。

それは、「おいしかった~」「ごちそうさまでした!」という直接聞くお客様の声が、何よりもの私の喜びだったからです。「ここのご飯を食べると元気になる!」その声を聞くと心の中でガッツポーズ!

自分が開発した商品が売れても達成感を感じにくかったのですが、対面だからお客様の声が私の原動力になる。それが嬉しくてこの世界で生きていこう、と決めたのでした。

一生懸命ではなく一所懸命
事業を好転させた”引き算”

20代、30代をマッハで過ごし、36歳でMikkeProjectの事業で点心のレストランを三重県四日市市の中心街にオープン。38歳で前述した古民家レストランをいなべ市でオープン。2店舗とも軌道に乗り始め、昨年の2023年春にはコロナの状況も落ち着き、「さぁこれからだぁ~!!」と思っていた矢先、点心レストランの店長が急に退職となり、人手不足となり一人で二つのレストランを回すことになりました。
頑張ってはみたものの分身の術は使えず、お店を閉店。

自分の限界を感じ、人生で初めて『引き算』をした経験でした。

その時に先輩に言われた言葉が
『全部をずーーーっと頑張る一生懸命ではなくて、まずは1点に集中する“一所懸命”にしたら?』
でした。
欲張りな私は少し物足りなさを感じましたが、okudo中村舎の経営に集中してみました。
そうしたところ大成功!事業は好転するし気持ちや時間にも余裕が出来て、趣味や家族との時間が増えました。

今でもマグロ人生には変わりはないのですが、的を絞って進められるようになったり、人間らしい生活を送れるようになったりと『無鉄砲マグロ』から『健全マグロ』になることができました。
今後は、更に増えてくる空き家を飲食店だけでなく、様々な活用ができるよう地域や移住したい人ともに息吹を送り込んでいければと思います。


最後に:私を元気にする言葉

編集部:山崎さんより、ご自身を元気にする言葉をいただきましたので紹介します。

「人もうけ」

私が開業届を出した頃、尊敬する女性に『事業っていうのは“人もうけ”を考えるんだよ。どうしたら人が集まるかな?どうしたら人が喜んでくれるかな?をまず考える。そして、次は集まってくれた人を心から大事にする。間違っても『一(ひと=金)儲け』を考えたらだめ。余計にお金も人も逃げていくからね。』と教えて下さったことがありました。
それを常に大事にしてきたおかげか、ありがたくも人がどんどん集まり、これまで携わった仕事の仲間やお客様、しいては保育士だった時の保護者や教え子までもが今の事業を応援し支えてくれています。『女性社長』である前に『一人の人間』としてこれからも精進し、自分の好きことで人を幸せにできたらと思います。

【山崎さんプロフィール】
愛知県名古屋市生まれ。大学を通信で学びながら、保育士、知的障がい児施設指導員、A型作業所指導員、飲食店店長、ラジオパーソナリティ、司会業、コーチング、など約20種類のキャリアを積む。2018年4月に食のプロデュース「MikkeProject」会社を設立。2021年12月には別会社として、「株式会社イナベキカク」を立ち上げ、2022年4月古民家をリノベーションした古民家レストラン「okudo中村舎」をOPEN、2023年にはNHK Eテレ『ふるカフェ系 ハルさんの休日』で紹介される。2020年度「J300アワード」ノミネート。

okudo中村舎HP:https://okudo-nakamuraya.com/

女性社長.netよりひとこと

山崎さん、お忙しい中、コラム執筆をありがとうございました。

編集部が山崎さんと初めてお会いしたのは、三重代表として参加頂いた2020年のJ300アワードWEB審査。前キャリアが保育士とだけ聞いていた編集部は、山崎さんの事業内容はさることながら、プレゼンや説明の明快さに驚いたことがとても印象に残っています。そのご縁で「女性社長.net選出 女性社長50人」でもお声がけ。変わらずパワフルに活動されている山崎さんに編集部も刺激を受けています。引き続き注目し、応援したい女性社長のお一人です。


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