見出し画像

語学学習は大変

「●●か月で〇〇語が流暢に!」という類の文句は、ものすごく胡散臭いです。

それから、色々言語を学び漁った経験から、「言語を●●言語も話せます!」という、多言語話者(ポリグロット)の謳い文句も、眉に唾を付けて聞くようになりました。

前者の「簡単に速く外国語が学べる!」について言いますと、
これは「どのレベル?」かを言っていないところが問題です。

そもそも語学学習は大変です。地道な努力が必要です。

簡単に楽しく学んでいるという人たちは、
楽しいことを通して言語を学んでいるか、
言語学習そのものを楽しめる人か、
大きく分けてこのどちらかです。

どちらでもない人たちにとって、語学学習は苦痛です。
特に、内なるモチベーションが特になければ尚更。

このように、語学学習自体にはものすごく時間がかかるのは当たり前なので、自分の進度が遅くても悩む必要は本当はありません。

そもそも、仕事や学業などで〆切が切られていないのであれば、
わざわざ急いで語学力を向上させる必要もありません。
語学は一生ものだからです。
1年で達成できなければ3年かければ良い。
3年でもだめなら5年かければ良い。
やめない限り、失ったことにはなりません。

どうも「短期間で高いレベルに到達」が良いことであるかのように考えられている雰囲気がありますが(私もそれに乗っかった記事を書いたことがあります)、別に短期間で到達する必要はありません。勝負ではないので。

2つ目の「たくさん言語が話せる!」については、
話せる言語が多ければ多いほど、
話せる内容は少なくなっていく、というのが私の持論です。

考えてみてください。
1つの母語でさえも高いレベルに上げるのは至難の業です。
ネイティブだったら皆高い言語力を持っているというわけではありません。

母語でさえ大変なのですから、
非母語の言語を高いレベルで使いこなすのは相当大変です。

世の中の、というより例えばYouTube等にいる「ポリグロット」の多くは、自分の母語か、自分が学んだ言語と類似した言語をたくさん学んでいます。
つまり「似ている言語どうしを学んでいる」わけです。

似ている言語どうしを学ぶわけですから、今まで持っている知識を活用してある程度までは新しい言語の語学力は上げられます。

が、似ているとは言っても全く同じではありませんし、
言語には使う人(ネイティブ)の文化や社会慣習が反映されているので、
似ている言語同士が綺麗に一対一で対応するわけではありません。

結果、ぎこちない表現を使うことが増え、「言っていることは分かるけれど、表現が不自然」という域を超えるのが困難となります。

言語を本当に上達させたければ、やはり経験が大事です。
ネイティブの人の中に暮らし、実生活で聞いたり使ったりしたという経験。

この経験をすることができる機会とその回数は、
学ぶ言語が多くなればなるほど、少なくなっていきます。

何とも悲しいというか、悔しいことですよね。
ポリグロットの中には、ただ自慢したいだけの人もいるかもしれませんが、
世界のできる限り多くの人たちと交流したいという意志には共感します。

しかし、多くの言語を学ぶことによって、確かに幅広い人と交流することはできるようになるかもしれませんが、深い交流はできないのが現実です。

語学力は使わないと直ぐに衰えていきますし、
時間は有限なので、1つの言語に割ける時間は必然的に少なくなります。

狭く深い交流か、広く浅い交流か。

これを考えると、ポリグロットを名乗る人よりも、何かの言語に1つ(や2つ)集中して学び、深い知識と広い経験を培った人を、今の私は目指したいと思うようになりました。

プロフィールに英独仏韓とか書いている人間が言っているので、この意味は重いです(笑)。

語学学習をあたかも簡単であるかのように話す人がいれば、要注意です。

語学学習は、楽しくすることはできますが、簡単ではありません。
簡単ではないからこそ、楽しく長く続けていくのが良いですね。


もし宜しければサポートいただけるととても嬉しいです!