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【英語】定冠詞のキホン(2)

こんにちは!
前回の記事では、定冠詞の代表的な使い方2つについて説明しました。

1.「同じものの中で、ある特定のものを際立たせる」
(例:「the orange」→「あのオレンジではなくて、そのオレンジ」)
2.「異なるものの中で、ある特定のものを際立たせる」
(例:「the orange」→「ブドウやリンゴではなくて、オレンジ」)

使い方①のほうは、代表的な使い方で分かりやすいと思います。
そのため、今回からは使い方②のほうを重点的に見ていきたいと思います。

今回から特に重点的に見ていきたい形があります。

それは、

「名詞A + of + 名詞B」

の場合です。

この中でも特に「名詞A」に定冠詞が付く場合を見ていきたいと思います。

I opened the door of the room.

今回の例では、「名詞B」の冠詞についてはあまり重要ではありません。
「I opened the door of 『a』 room」でもOKです。

ここで思い出していただきたいのが、定冠詞の使い方②です。
「同じカテゴリーに属する異なるものの中で、特定のものを際立たせる」

前回の記事では、「果物」というカテゴリーの中の「オレンジ」だったり、
「方角」というカテゴリーの中の「東」だったりと、
カテゴリーとサブカテゴリーの間には強いつながりがありました。

どんな場合でも、「オレンジは果物の1種」ですし「東は方角の1つ」であることには変わりはありませんよね。

ですが、今回は、必ずしも常にカテゴリーとサブカテゴリーの関係が成り立たない場合、逆に言えば、その文脈の中でだけ成り立つ話をしたいと思います。

応用編というわけです。

ここで扱う「カテゴリー」は「room」。つまり「部屋」です。
サブカテゴリーは「その部屋に属するもの」です。

「部屋に属するもの」なので、家具である椅子や机、冷蔵庫だったり、部屋に備え付けられている窓や扉、天井や壁もありです。

これら全てが「サブカテゴリー」であると考えてください。
かなり細かい区分けですね……。

何が言いたいか、もう既にお気づきの方もいらっしゃると思います。

I opened the door of the room.

「開ける」ことができるものは部屋には色々あります。
窓、冷蔵庫、引き出し、扉など。
上の文ではその中でも「扉」を際立たせているわけです。

つまり、
「私はその部屋の(窓でもなく、冷蔵庫でもなく)ドア『を』開けた」
というようなニュアンスです。

「部屋に属する他のもの」と区別する為に「door」に定冠詞がついている、と考えます。

このように、
「名詞A」が「名詞B」に属するものである場合、
属するもの同士の中で何か特定のものを際立たせたいときには、
「名詞A」に定冠詞がつきます

考え方としては、同じ「果物」というカテゴリーに属する「オレンジ」「ブドウ」「バナナ」の中で、他と対比して「オレンジ」を際立たせたい、という時と同じです。

今回のメインの内容は以上ですが、この「the door of the room」には他にも解釈の可能性はあります。

例えば、次の写真のように、この部屋にたくさんの扉があって、そのうちの「その扉」と強調したいときです。

I opened "THE" door of the room. 

これはずばり定冠詞の使い方①を用いた解釈です。
「あの扉でもこの扉でもなく、その扉」というものです。

この場合は、その前までの文で「The room had seven doors.」のように、複数の扉がある可能性が示唆されているのではないかと思います。

また、口頭であれば「I open THE door of the room」というように強調したり、その場にいるなら開けた扉を指さしたりできます。

他にも、「定冠詞はただ一つしかないものを指す」という使い方から、この部屋にある「唯一の扉」を開けたという意味にも解釈できます。

互いに解釈が衝突しあう使い方を定冠詞が持っているせいでこんな事態になるのですが、私がここで「(窓ではなく)扉を開けた」という用法を強調したいのには訳があります。

それは、「私はその部屋の『その』扉を開けた」(使い方①)のように「the」にそこまでの指示性があると解釈するには難しい例が、実際の会話や文章でよく見かけるためです。

むしろ、「私はその部屋の扉『を』開けた」と解釈した方が自然な場合が多いのです。

そのため、ここでは使い方②の解釈を採用してみました。

ここまでお読みいただきありがとうございました!



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