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メジャー言語 vs マイナー言語

外国語を勉強する際に、

「話者人口が多く幅広い地域で話されている言語を学ぶべきか?」(「メジャー言語」を学ぶべきか?)

「話者人口が少なく限られた地域でしか話されていない言語を学ぶべきか?」(「マイナー言語」を学ぶべきか?)

という問いがよくあります。

詰まるところ、最後は個人の好みと意志によると思いますが、それぞれの点については以下のようなメリットとデメリットがあると思います。(どの言語をメジャー、マイナーと呼ぶかはここでは割愛し、一般的なイメージに基づくこととします。)

メジャー言語を勉強する場合

メリット→話者人口が多いので、使用する頻度が高い。汎用性がある。

デメリット→他の学習者と差別化がしにくい。特に外国語そのものに特化した職業を選ぶ場合、他者との競争が熾烈。

マイナー言語を勉強する場合

メリット→他の学習者と差別化しやすい。話者人口だけでなく学習者数も少ないので、そこまでレベルが高くなくても重宝される。

デメリット→使用する頻度が低い。汎用性が低いので潰しが効かない。

まさに、一方のメリットは他方のデメリットになる構図なので、これはどちらが良いというよりも、どちらのメリットの方が得だと自分が思うか、に尽きると思います。

私は自他ともに認める「語学オタク」ではあるのですが、続いている言語は殆どがメジャー言語です。

語学学習が外国語自体の学びである場合は別ですが、たいていの場合は、読みたい本や観たい映像作品、話したい人など、対象があると思います。

私の場合は、外国語の専門書を読みあさってみたいというのがモチベーションです。

けれども、外国語で書かれた専門書の内容が理解できるようになるためには、語学力よりもまず背景知識を学ぶ必要があります。そのとっかかりは日本語の書籍でしょうし、日本語の書籍をあらかた読めば、次は英語でしょう。

もちろん、その外国語でしか書かれていない文書も少なくはありません。

しかし、世界的に評価される文章(特に論文)を書くには、世界の人に読んでもらえるような外国語(例えば英語)で書く方が執筆者にとっても有利なはずです。

そうすると、結局母語+メジャー言語で収集できる情報を拾っていけば、結構な知識は得られるはずなのです。

つまり、あることに関する知識を得るためだけに、わざわざマイナー言語を学ぶ必要に迫られるほどではないことが多い、ということです。

もっとも、日本語の優れた文献が全て英語に訳されているわけではないので、英語だけで日本の事情が全て分かるという訳ではないのも事実です。

歴史問題など見解が分かれるテーマの場合は、当事者の言語の文献を読める方が有利です。

それでも、僕の経験的に、その道の専門家を目指すのではない限りは、母語と英語であらかたの知識は得ることができると思います。

一方で、マイナー言語を学ぶことの利点は、一見矛盾していそうですが、多くのネイティブに接することができる点です

メジャー言語の場合は母語ではない人とのやり取りにも使われる場合が多く、「ネイティブ的に正しい表現」よりも「お互いが理解できる表現」の方が使いやすい場合が多いです。英語の場合がまさにそうですよね。

これに対して、マイナー言語の場合は、学習者の数が少ないので、非ネイティブ同士よりも、ネイティブとの会話で使うことの方が多いです。

そのため、ネイティブがよく使うこなれた表現を学びやすいというメリットがあります。

メジャー言語、マイナー言語、皆さんはどちらを勉強されますでしょうか?

もし宜しければサポートいただけるととても嬉しいです!