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【ドイツ語】「Ich bin kalt」と「Mir ist kalt」の違い

こんにちは!
ドイツはようやく秋らしく涼しい時期になってきました。
数週間前までは30度を超えていたのが嘘のように、夜には1桁台まで下がる地域も出てきました。夏時間が終わるのもあともう少し、ものすごい勢いで昼が短くなってきています。寒いなと感じることも増えてきました。

さて、「私は寒いです」をドイツ語で言いたいとき、

「Ich bin kalt」
「Mir ist kalt」

どちらを使えば良いでしょうか?

正解は「Mir ist kalt」です。

ドイツ語では、体調や気分などを表現したいとき、「私は」の部分は「Mir」と3格(Dativ)で表現することがあります。

hungrigのように、もともと人間を1格(主語)に取るものは違いますが、
「kalt」のように、人にも事物にも使える形容詞は注意が必要です。

考え方としては、
「寒い」のは「気候や気温」であって、「私」ではないからです。
「私」はあくまで寒いと「感じている」のであって、寒さの正体ではないわけですね。

ドイツ語らしく何とも理屈っぽい理由ですが、このようなわけで
「私は寒いです」は、「私にはこの気温は寒いです」と解釈して、

Mir ist kalt. 

と言います。ちなみにこれは、

Es ist mir kalt. の「Es」が、「Mir」を文頭に持ってきたために消えてしまったものです。

この「Es」は単に空白を埋めているだけの存在なので、「Mir」に割り込まれると位置を交代するのではなく、潔く姿を消してしまいます。

じゃあ「Ich bin kalt」は何かというと、

「私は冷たい人間です」

という意味になります。

理屈は同じ。「冷たさの正体は『私』だ」、ということになるからです。

この点、英語はラフというか、良い加減と言うか、
「I'm cold」で両方の意味を表せてしまうのが面白いですね。

他にも色々ありますが、今回はあと1つだけ。

「langweilig」は、「退屈させる」(英語の「boring」のようなもの)という意味の形容詞です。

なので、
「私は退屈しています」は、

Mir ist langweilig. 

と言います。
もちろん、具体的に「何が」があれば、それを主語に持ってきて大丈夫ですが、「私」はあくまで3格(mir)です。

これを

Ich bin langweilig. 

と言ってしまうと、

「私は退屈な人間だ」

という意味になります。

退屈していると言おうとして、間違えて「自分はつまらない人間だ」と言わないように気を付けてください!

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