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「涙の女王」のドイツのロケ地

ドイツのフランクフルトに住みながら、韓ドラの視聴を再開したところ、
目の前の画面に見慣れた風景が現れて驚きました。
何ならこの前、あそこ、散歩してたぞ、っていう…。

確かに韓ドラって欧州の名所がよく出てくるイメージはあります。
ですが、よりによって、フランクフルト……?
こんな、知名度だけは一級で、これと言った名所のない、
フランクフルトが……

フランクフルトはこんな街。
マイン川と「鉄の小橋」。
フランクフルトのマイン川に掛かる「鉄の小橋」

この画像の背景に見える鉄橋。これはドラマの中で重要な意味を持つ橋で、名前は「アイゼルナー・シュテーク(Eiserner Steg)」と言います。

ドイツ語の意味は「鉄の小橋」。飾らないドイツ語らしさに溢れた名前です。鉄橋を「鉄橋」と名付けるなんて。

この橋に恋人たちが南京錠を掛けることは、恥ずかしながらこのドラマで知りました。いつも大勢の人で溢れており、渡り切ったことがありません。

橋の上はこんな感じ。

この橋はマイン川河畔に掛かっている橋の1つで、フランクフルトの数少ない観光資源の1つでもあります。

「ライン川」はご存じの方が多いかもしれませんが、これはその支流である「マイン川」

マイン川はこんな川。

実は「フランクフルト」という都市はドイツに2つ存在します
世界的に有名な金融都市のほうは、「マイン河畔のフランクフルト」という意味の「フランクフルト・アム・マイン」が正式名称です。

ちなみに、ドイツで最大の日本人コミュニティのある街はデュッセルドルフですが、ドイツ最大の韓人コミュニティはフランクフルトにあります。
そのため、街中で韓国人の姿を本当によく見かけます。

もう1つのフランクフルトはベルリンから電車で1本で行けます。こちらは、ポーランドとの国境の川であるオーダー(オーデル)川沿いにあるので、「フランクフルト・アン・デア・オーダー」と呼ばれています。

確か劇中では「フランクフルト」の名前は空港以外で言及がなく、ドイツの街は全て「ベルリン」として登場していました。ロケ地巡りで「じゃない方」のフランクフルトに行ってしまう観光客がいるかもしれませんね。

知っている場所が出てきて気づく、主人公たちの瞬間移動能力の高さ。
まだ見ていない方はネタバレになるかもしれませんが、

第五話で、ベルリンの病院を出てきたへインが、茫然とした様子で通り過ぎる家族や恋人たちを眺めていた駅は、南西ドイツに位置する「ハイデルベルク中央駅」

映像に少しの間映ったフランスパンのお店「Le Crobag」が目に留まり、ハイデルベルクと気づきました。私が学生時代よく利用したお店でした。

ハイデルベルク中央駅。あの時計が早送りで回る。
ハイデルベルク中央駅をロケで使うなら、こちらのグラフィティを映してほしかった。

日本や韓国に限らず、世界中から人が訪れるドイツ有数の観光地のハイデルベルクの方がフランクフルトよりずっとカメラ映えがするのに、何故かドラマでは何の変哲もない中央駅しか出て来ませんでした。
やはり表向きには「ベルリン」だからでしょうか。

ハイデルベルクはこんな街。

駅としてはフランクフルト中央駅の方が壮観で旅情をかき立てるのですが、
混雑が凄いのと、スリを始めとする犯罪が多く、殺伐としてもいます。
それが原因でロケ地に選ばれなかったのかもしれませんね。

フランクフルト中央駅の外観はこんな感じ。
駅構内はこんな感じ。

ハイデルベルクはフランクフルトから特急列車で1時間ほどで行けます。フランクフルトよりもずっと見ごたえがあるので、ドイツ旅行の際は是非。

その次の場面は、北東ドイツの街・ポツダムにある「サンスーシ宮殿」
「無憂宮」と呼ばれるプロイセン王フリードリヒ2世の居城です。

こんなところです。

ポツダムとハイデルベルクは600キロほど離れています。
東京から秋田市くらいの距離です。

春夏のサンスーシ宮殿の閉園時間は17時30分です。
劇中のハイデルベルク中央駅の時計は既に17時台を指していました。

私のドイツ鉄道アプリによると、17時10分にハイデルベルクを出た場合、ポツダムの到着時間は最速でも23時42分。実に6時間半の長旅です。

第六話。サンスーシ宮殿で逢瀬を果たし、夕食のカップ麺を食べ終えた後、画面には再び川に掛かる鉄橋が浮かびます。フランクフルト再登場です。

ところが、翌朝になると、ヒョヌはベルリン大聖堂に礼拝に向かいます。
劇中ではずっとベルリンにいることになっていますが、実は北東へ560キロほどワープしています。

中はこんな感じです。
外はこんなん。

その後、ヒョヌが電話をしながら歩いているのは、ベルリンを流れるシュプレー川のほとり

場所としては、ベルリン中央駅と連邦議会議事堂のあたり、シュプレー川が大きく蛇行し、周りに高い建物がなく空が広い場所です。ヒョヌの背後に見える白い橋が「皇太子橋」という意味の「クロンプリンツェン・ブリュッケ(Kronprinzenbrücke)」

ベルリン大聖堂から歩けなくもないですが、電車で行けば5分もかかりません。

自転車に乗っている人に「Vorsicht!(気を付けろ)」と言われるヒョヌ。
ドイツらしいです。自転車道歩いて轢かれても歩行者の責任になります。

それにしても、マイン川とシュプレー川の川幅の明らかな違いに、目ざとい視聴者は気づきそうな気もしますが……。

写真をお借りしました(https://www.juergen-reichmann.de/)
写真をお借りしました(https://www.juergen-reichmann.de/)

それから、へインがケバブをボートで売る店の前の列に並ぶシーンでは、再びフランクフルトに戻っています。

フランクフルトの夜景はこんな感じ。

ドイツ鉄道はただでさえストと遅延が多いので、こんな高速移動は常人にはなしえません。

見て頂くと分かる通り、とても1日では移動できない距離です。しかも、これ全体が「ベルリン」と扱われているところ、流石ドラマという感じです。

確かに、ベルリンのシュプレー川に掛かる橋で、フランクフルトの「鉄の小橋」のように美しく、車が通らず、インパクトのある橋はないような気がします。

シュプレー川にはこういう綺麗な橋もあります(オーバーバウム橋)。
ちなみに、マリオカートのコースに採用されています。
(Pixabay wal_172619さま)

「愛の南京錠」と言うと、ケルンのライン川に掛かる鉄橋を思い浮かべますが、あそこは道も狭いし、鉄道と併用しているし、ドラマに不向きです。

ケルンのゼヴェリン橋。遠景写真でも分かる夥しい数の南京錠。
(Pixabay 377053さま)

こう考えると、確かにフランクフルトの「鉄の小橋」は選ぶべくして選ばれた気がしてきます。

身近な場所、見慣れた風景が劇中に出てくると、不思議な気分になります。
映像美によって、フランクフルトさえも美しく見えてしまう不思議。
住んでいる私さえ、フランクフルトに行きたくなりました。
フランクフルトへの観光効果は高いはず。

あと、サンスーシ宮殿の管理人のおじさん、親切で良かったです。
実際のドイツだったら、閉園間近まで残っている客はもっと冷たく追い出すイメージです。あんなに優しく誘導しないような……。

皆さんも、フランクフルト経由でドイツにお越しの際は、マイン川沿いを是非訪れてみてください。

旧市街「レーマー(Römer)」からマイン川に向かって歩いて行くと、「アイゼルナー・シュテーク」が直ぐに見えてきます。

そして、その後は電車でハイデルベルクやベルリン、ポツダムにお越しください。正直、そちらの方がずっとフランクフルトより一見の価値があると思います。

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