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単語の学習法(2)

こんばんは。

以前も単語の学習法と、「何を読めば良いか」という話について触れましたが、今回改めて投稿させていただきます。内容面で重複する面もあるかと思います。

僕のこれまでの語学の勉強から言える、単語を覚えるコツは以下の3点です

1.単語帳ではなく、文章から覚える。

2.1.の効果を最大化するために、とにかく文章を多く読む。

3.2.のスピードを上げるために、電子辞書を使う。

それでは、一つずつ見ていきたいと思います。

1.単語帳ではなく、文章から単語を覚える。

これは受験英語を含めた僕の語学学習の経験から感じることです。一つひとつの単語を覚えるには一つひとつの「体験」が必要です。例えば、この単語はあの文章を読んでいるときに知ったんだよな、などと覚えたときのエピソードがあるということです。

私たちも日本語を覚えたときには、単語テストで機械的に単語を覚えたのではなく、文章や会話を通じて身に着けてきたはずであり、単語帳で単語を覚えるというのは不自然で人工的なやり方だと言えるでしょう。

脳は、詰まるところ、自分にとって必要なものしか覚えません。また、何かと関連付けられていない知識は忘れられがちです。その意味でも、単語帳の学習は試験前の一夜漬けには良いかもしれませんが、最終的に外国語で話したり書いたりできるようになるためには、そういう短期的な記憶づくりの学習ではなく、文章を通じた長期的な学習が向いています。

2.とにかく文章を多く読む。

次のポイントですが、単語帳という、ある意味効率的な形で学習するのではなく、文章を通じて単語を勉強しようとすると、おのずと読むべき文章量は増えます。一つのテキストに全ての単語が出ているわけではありませんからね。

大事なのは文章の選び方です。特に試験を控えた方は、試験に出そうなテキストを読もうとされると思います。それはそれで良いのですが、長期的な語彙力増強を考えると、選び方のコツは「自分が興味を持てる分野の文章」です。

これも僕の語学学習の経験からの話になってしまいますが、不思議なことに、興味のある分野の文章ばかりを読んでいても、語彙力は全体的に増加するのです。もちろん、ある分野でしか使わない専門用語などは身に着きにくいですが、外国語をある程度のレベルで話したり書いたりする上で必要な語彙は、どの分野の文章を読んでも身に着きます。どの分野においても、人に何かを伝えるために書かれた文章であれば、自己表現をするのに必要な単語の大半が使われるからなのかもしれません。

また、大事なのは、「既知の分野」を選ぶことです。日本語でならすぐに理解できる内容のものです。未知の分野の文章を読もうとすると、「外国語学習」だけでなく、「分野の内容の学習」もしなければならないからです。

一方で、既知の分野のものは、たとえ習いたての外国語であっても、何となく書いていることは理解できるのです。不思議ですよね。僕が「語学力とはサブ力」(※)と感じるのはそのためです。あなたが外国語を読んだり聴いたりして理解できない場合、それはあなたの外国語能力というよりも、内容自体に親しみがあるかどうかの方に原因があることが多いです。

※サブ…サブスタンスの略で、文章や会話などの内容や、それに関する背景知識のこと。

次に文章のレベルですが、モチベーションを保てるレベル、できれば今の自分のレベルより若干易しめのレベルのものを選んでください。一文につき一語一語辞書を引かないといけないレベルではなく、もう少し滑らかなスピードで読めるレベルです。要は投げ出さないレベルのものです。

語学はモチベーションが命。外国語が難しいと感じるときは、外国語自体が難解な言語であるわけでも、あなたに才能がないわけでもなく、単に目の前の文章がまだ読むのには早すぎる(あるいは未知の内容を扱っている)場合が殆どです。少しレベルを落としても良いので、スラスラ読めて、「自分って結構センスあるのかも?」と自信を持てるレベルがお勧めです。

精読が必要なときはもちろんあります。それは語学が上達しても必要なことですし、日本語でも難解な文章を読むときは時間をかける必要がありますよね。でも、単語学習という点にだけ焦点を当てる場合、重要なのは「速く多く」。精読すべき書物は、後日のお楽しみに取っておきましょう。

最初はニュース記事がお勧めです。新聞は洗練されたスタイルなども重視されるので読みにくいことが多いですが、ニュースは情報を簡潔かつ的確に伝えることが主目的なので、構文も比較的単純です。ただ、外国のニュースって中身を知らない場合があるので、私はよくNHK World Newsのニュース記事を読んでいます。これであれば、日本で起きていることを扱っているので、分からなければ日本語で検索すれば背景知識は簡単に得られるからです。

3.電子辞書を使う。

最後に、辞書です。紙の辞書派と電子辞書派の永遠の議論があるのは承知していますが、僕個人としては、電子辞書が市販されている言語を学ぶのなら、断然電子辞書を使うことをお勧めします。理由は4つあります。

(1)検索速度が紙に比べて圧倒的に早い。

(2)検索画面で前後の単語、類似した単語を調べられる(←紙の辞書の利点と同じ利点を電子辞書も備えている、ということ)。

(3)訳語と例文・用例が見出しで区別されているので意味を見つけやすい(←例文・用例・成句が別リンクに飛ぶように整理されている場合が電子辞書には多い。紙の辞書だと、これらが同じ大きさの字体で、行替えせずに書かれることが多く、見つけにくいし、見にくい)。

(4)ヒストリー機能を使えば、過去に調べた単語がすぐに引き直せる。

特に僕が重視しているのは(1)です。前述のとおり、文章を読んで単語を学ぶ場合は、とにかくたくさんの文章を読む必要がありますが、そのためには単語を引く手間をなるべく減らす必要があります。分厚い紙の辞書を開いて、細かい字を追って意味を探して…という動作って、結構億劫だったりするものです。電子辞書は、検索にかかる時間を劇的に短縮しました。これを使わない手はありません。

僕が韓国語を学んだときは電子辞書を使いましたが、あれがなければあれほど早く上達することはなかったと思います。この経験をもとに、ドイツ語を学んだ際には、今まで使っていた小学館の紙の独和大辞典から電子辞書に移行しました。それから2年後の間に僕は最高級のC2を取得するまでに至ったのですが、語彙力においては電子辞書に負うところが大きかったです。

以上が単語を学ぶ際のコツです。僕自身の個人的経験に基づくものですが、少しでもお役に立てれば幸いです。








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