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後京極摂政前太政大臣が百人一首に残した作品は?

後京極摂政前太政大臣が百人一首に残した作品は、、、

♪ きりぎりす
  鳴くや霜夜の
  さむしろに
  衣かたしき
  ひとりかも寝む

です。

読みは、

♪ きりぎりす
  なくやしもよの
  さむしろに
  ころもかたしき
  ひとりかもねん

となります。

この歌は「本歌取り」の歌です。

本歌は、3つあります。

♪ さむしろに 衣かたしき 今宵もや われを待つらむ 宇治の橋姫(古今集)

♪ 吾が恋ふる 妹は逢はずて 玉の浦に 衣かたしき ひとりかも寝む(万葉集)

♪ あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む(百人一首3番:柿本人麻呂)

003 柿本人麻呂


1句「きりぎりす」は、こおろぎのことだそうです。
現代の「きりぎりす」は、
「はたおり」と呼んだそうです。

3句「さむしろ」は、「小さなむしろ」の意味で「寒い」を掛けています。

4句「衣かたしき」は、「衣片敷き」で、自分の衣の片袖を枕代わりに敷くことを意味します。

5句「ひとりかも寝む」で、
   「ひとりで寝るの
     だろうか?」
   という意味に
   なります。
   詳しくは、



きりぎりす  (こおろぎが)
鳴くや霜夜の (鳴いている。霜の降りた寒い夜に)
さむしろに  (小さなむしろで)
衣かたしき  (衣の片袖を枕代わりに敷いて)
ひとりかも寝む(ひとりで寝るのだろうか?)

なんとも寂しげな歌ですね。

ひとりではなく、女性と心も体も温めあって寝たいものですね。

後京極摂政前太政大臣がこの歌を詠む少し前に、妻に先立たれたそうです。

亡き妻のことを思い出して、改めて一人で寝るのが寂しくなったのでしょうね。

ところで、この歌、ちょっと疑問があります。

こおろぎが鳴く夜なのに霜が降りるとは、どんな季節なんでしょう?

霜が降りるような寒い時期にも
こおろぎが鳴くのでしょうかね?

その辺りに言及したサイトは残念ながら見つかりませんでした。

出典は、
★新古今和歌集


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【後京極摂政前太政大臣】

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