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中納言行平が百人一首に残した作品は?

中納言行平が百人一首に残した作品は?

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆歌枕
☆掛詞
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品

♪ たち別れ
  いなばの山の
   峰に生ふる
  まつとし聞かば
   今帰り来む

です。

読みは、

♪ たちわかれ
  いなばのやまの
   みねにお
  まつとしきかば
  いまかえりこ

となります。

この歌は、中納言行平が因幡守に任じられたときに、因幡国への旅立ちに際して、いわゆる「送別会」が行われ、
その席で「挨拶」として詠んだ歌です。

掛詞(かけことば)を2つも使っているので、各句ごとの直訳だと意味がわかりにくいですが、


☆意味

たち別れ   (別れて)
いなばの山の
  (因幡の国に行きます。
   その因幡の国にある
        稲葉山の)
峰に生ふる
  (峰に生えているという)
まつとし聞かば
  (松。
  その松ではないけれど、
 待つとおっしゃるならば)
今帰り来む
(すぐにでも、帰りましょう)


☆歌枕


☆掛詞

2句:「いなば」は、
   ・往なば(往けば)
   ・因幡の国
   ・稲葉山
   「因幡の国に往けば、 
    稲葉山があって」
    という意味
4句:「まつとし聞かば」
   「まつ」は
   「松」と「待つ」※

「稲葉山の峰に生えている松。その松ではないけれど、(みなさんが)待つとおっしゃるならば」

引用記事の1. と 15.


☆文法解説

1句:「たち別れ」の「たち」は、接頭語で、特に意味はありません。
2句4句:「ば」は、
     接続助詞。


別れを惜しみつつも、因幡の国の風景を詠んでいます。


※97番:藤原定家は、逆。
「待つ」を歌って、「松」にかけている。


☆出典
古今和歌集/離別・365


★関連動画


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