男女間の力関係

ピーターパン人間とウェンディとの間には、暗黙のうちに犠牲者とならずもの、という関係が出来上がっている。
表面的には、女性が犠牲者で、男性のほうがならずもののように見える。
男が横暴で、女のほうが弱そうだ。
しかし、これは事実ではないと思う。
実際には、この力関係は逆なのだ。
男が弱くて、女が強いことが、よく見ればおわかりだろう。
実は、ここに問題があるのだ。

第一に、男女関係にこうした力のアンバランスがあること自体、好ましいことではない。
結婚生活の中でのお互いの成長の可能性を壊してしまうからだ。

第二に、女性の強さは、人間として耐え忍ぶべきではないような、あざけりや侮辱にまで耐えてしまうような不幸な現象を惹き起こす。
もしこの役割が逆になったら、ピーターパン人間はたとえ一分といえども、この不愉快さに耐えることができないはずだ。
彼女は、一人っきりになりたくない、という内面の恐怖のためにウェンディ役を演じているのだが、まさにそのために、彼女は不合理な苦痛を耐え忍ばなければならなくなる。

第三に、こういった女性は、自分の感情を直視できるし、それを表現する術も知っている。
この点で、彼女はピーターパン人間より強いと言える。
一方、男性の側は、自分の感情を見つめる能力を欠き、感情なんて大切じゃないと思うフリをすることで、人付き合いが怖いというこの弱点を隠しているのだ。

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最後に、一つの事実を強調したい。
それは、ピーターパン人間とウェンディの組み合わせの場合に、ピーターパンをうまく助けるには、直接彼自身の治療に向かうよりも、パートナーである女性たちからまず助けたほうが成功しやすいということである。

彼女もまた、魔法の馬車を待ち望んでいるかもしれない。
しかし、女性には自分の誤りを認める勇気と力がある。
彼女たちは、立ち上がり、事態の改善に努力できるようになる。

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