名駅9-2

今日で、路上ライブをやめます。今までありがとう。

自分の好きなことを、誰かに見てもらったら、何か変わるかもしれない。そう思って始めた路上ライブでした。

思い返せば、本当にたくさんのことがありました。

自分が伝えたいことを路上でうたって、誰かがそれを聴いて、何かを感じ取ってくれるかもしれない。何か反応をもらうことができるかもしれない。そしたら、自分のなかで何かが、少しだけ変わるかもしれない。路上に出たきっかけは、それ以外に何かできることが思いつかなかったからです。

僕は、今までたくさんの種類のアルバイトを、長い間やってきました。しかし、あるとき精神的に体調を崩して、何もできなくなってしまいました。最後に働いていたのは配送の仕事でしたが、常に緊張状態にあるような感じで、身体が思うように動かなくなり、日常生活に支障をきたしてしまいました。

何も活動ができなくなった僕に、唯一能動的にできたことが、ずっと趣味でやっていた音楽でした。音楽しかできない今、音楽を誰かに聴いてもらおうと思いました。そうする他に、自分が生きる実感を得られることがないように思えたからです。

初めて名古屋駅でうたった日のことを、よく覚えています。緊張で気持ちが悪くなっていました。夜9時半頃に名古屋駅太閤口でのことでした。うたったのは、the past と light。10時になると、ここでのアンプでの演奏は条例違反だと言われてしまい、2曲しかできませんでしたが、緊張で頭が真っ白になりながらうたっていました。自信なんてカケラもなかったけど、でもうたうことは好きだし、他人よりも得意なことではあると思っていたから、なんとか路上に出ることができました。

今まで約7ヶ月、たくさんの他人が立ち止まってくれて歌を聴いてくれました。CDや写真を買ってくれたり、カンパしてくれたり、時には涙を流してくれたり、褒め言葉をかけてくれたり、応援してくれたりしました。笑われることの方が多かったし、冷やかされたこともたくさんありました。でも、本気で自分を表現していたから、そんな人たちのことは気にならなくなりました。誰も聴いてくれず何も得られることがないように感じられる日もありました。でも今、路上で出会った人や、聴いてくれた人、演奏することができたこと自体に、その全てに感謝することができます。本当にありがとう。

僕は、新しいステージに登ろうと思います。それは形式的には、ライブ会場での演奏です。路上ではたくさんのことを学びました。これからは、音楽を聴くためにお金を払ってその場にいる、そんな人たちへ向けて、僕の音楽を届けていきたいです。それは、僕がそれだけ価値のある音楽を提供していけるようになりたいということでもあります。

きっと、今まで応援してくれた人たちも、これから応援してくれる人たちも、僕のこの決断を良しとして、一緒に次の段階の音楽を楽しんでもらえると信じています。

路上に出た時と同じように、これから、どうなるのかは正直全くわかりません。でも本気でやれば、きっと何かが変わるから、それがより大きく、いい変化になると思っています。

僕はこれから、新しい曲たちのレコーディングを始めます。

冬、春、change、Louise、Jasmine、color、セピア、藍、morning coffee

完成しているこれらの曲の内、6曲がnew album "color"になります。この中で、きっとあなたに心地よいと感じてもらえる一曲があることを願っています。あなたにとって良いと感じていただける曲は、一体どれになるでしょうか。

今日が、路上ライブ最後の日になるとは正直思ってもみませんでした。でも、今日だなと、そうはっきり思った何かがあったから、今日を境にします。

僕は、何もできなくなった時に比べて、凄く元気になりました。だからこそ、今の一瞬一瞬がものすごく大切で、愛おしくさえ思えます。過去、僕がそうだったように、今辛い思いをしてる人もいるかもしれません。その気持ちが分かるとは、言えないけど、そんな人たちと一緒に、幸せを共有したいし、大きななにかを作っていきたい。辛いことを経験するほど、生きることの素晴らしさや、日常の美しさを、実感できるのだと僕は思います。僕たちはそれを一緒に、見つけていくことがきっとできます。Jonathan Noriを少しだけ信じてみてください。

これからも、宜しくお願いします。今までありがとう!

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