お金を作っているのは誰?

お金を作っているのは、日銀に決まっているでしょ?
いいえ。
実は、日銀以外にも、お金を作っているところがある。

誰が、どのようにお金を作っているのか、
例えで説明してみる。


昔とあるところに、
すべて金貨で決済をしている社会がありました。
そこにある商人がいます。
大きな商売をやっているので、たくさんの金貨を持っています。
でも、泥棒が心配です。
そこで、大きな金庫をもつ金庫業者に預けました。
なお、金貨を預けると、引きかえに「預かり証」が渡されます。
「確かに金貨100枚預かりました」のような紙です。

その後は、商人はだびたび金庫から金貨を取り出すのですが、
それも、だんだんそれも面倒になってきました。
移動中に賊に襲われる危険があります。
渡すとき数えるのも大変です。

商人はあるとき
「相手に金貨を渡すのをやめて、預かり証を渡せばいい」
そう思いつきました。
取引相手は、その預かり証を金庫業者のところに持っていけば、
金貨がもらえます。

そのうち、金貨を金庫から取り出す人はいなくなります。
その理由は、みんな受け取った預かり証を、
今度は、支払いに使うからです。
やがて、預かり証が通貨となり流通しだします。

そんなある日、金庫業者はついに気づいてしまいます。
「もしかして、預かり証を偽造しても誰も気づかないのでは・・」
そうです。
誰も金貨を引き出さないなら、全然問題ないです。
そして、架空の預かり証を作りはじめます。
偽の預かり証も本物と同じく流通し始めます。
結果として、金貨の数倍の預かり証が出回るようになります。


この「金庫業者」とは、誰のことだろう。
銀行である。
日銀ではなく、普通の銀行である。
「預かり証」にあたるのは、銀行の預金である。
銀行は、企業や個人に貸し付けをするが、
その際、現金を手渡すのではない。
預金口座の数字を変えるだけだ。
だからお金がなくとも、貸付できてしまう。

現在、日銀が発行したお金の10倍くらいの
お金が世の中に出回っている。

これは、もちろん違法ではなく、
経済の仕組みとして存在しているのである。

あまり知られていないお金の実態である。

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