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ジョジョの作者「 荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 」【 本の紹介 】


優れたホラー映画は、現実や人間の暗黒面を描いた芸術表現であり、恐怖を通して、現実世界の不安からひと時の解放をもたらしてくれると、漫画「 ジョジョの奇妙な冒険 」の作者は語ります。



ホラー映画に対する態度で、人は次の4種類のどれかに当てはまるようです。

①暗くて汚い、気持ちの悪い、気が滅入る映画だと、頭から見ない人。
②怖いもの見たさのお化け屋敷感覚で、好奇心で見る人。
③ホラー映画を分類し、作品や監督に詳しく、カメラワークや演出まで分析、解説して楽しむ人。
④血や殺戮といった残酷なものや恐怖を純粋に好み、淫する人。

④は、余りに極端で危ないですが、①も極端で、そういう人にも闇雲に嫌わず、少しずつでも見て欲しいそうです。

ちなみに、自分は②の人でした。(荒木さんは、間違いなく③)

まえがき「モダンホラー映画への招待」で『プレシャス』を薦め、ゾンビ映画、「田舎に行ったら襲われた」系ホラー、ビザール殺人鬼映画、スティーブン・キング・オブ・ホラー、SFホラー映画、アニマルホラー、構築系ホラー、不条理ホラー、悪魔・怨霊ホラー、ホラー・オン・ボーダー、の章立てで、理路整然と偏愛的にホラー映画論を展開しています。

ちなみに、荒木飛呂彦が選ぶホラーBest20の内、11編だけ観ていました。( 1,2,3,4,6,7,8,10,13,16,18 )


荒木さんは、本職にディープなファンが多いけど、ホラー映画評論家としての文才もずば抜けているように感じました。

ホラー映画が苦手な人にも、好きな人にもオススメです。

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