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人と作品を作るときの世界観共有の話

僕は依頼を受けて音楽を作る、所謂「職業作家」的なことはあまりしていなく、自分のオリジナル曲・プロジェクトをメインにyoutubeに上げています。

依頼仕事は全くしてないわけではないのですが、面白そうとか自分の活動に繋げていけるというものをやってる感じです。


自分の作品を作る際、少し前までは自分で作曲も編曲も作詞もミックスもしてボカロも打ち込んで、何なら動画も自分で作っていました。イラストは描けなかったので描いてもらうことが多かったですが。

最近はというとボーカルを依頼して、イラストも依頼して、ミックスも依頼して、動画も依頼して、ギターやベースも依頼する時もあります。

僕の仕事は作詞・作曲・編曲とディレクションになりつつあります。

その上で、作詞作曲編曲というのは下ごしらえみたいなもんだなあと感じるようになりました。

そんな最近の気付きの話をば。

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自分の役割は世界観作りとその共有

自分でギターを弾いて、ベースを打ち込んだり弾いて、動画も作って、ボカロで歌を入れて、ミックスもして・・・ってやると完全に自分の思い描くものが出来ます。

とはいえ自分の技術に限界があるので、「自分の世界観を限りなく漏れなく表現できるが、技術面による妥協の割合が大きくなる」状態になります。

じゃあ、自分よりも圧倒的に優れた技術を持った人に依頼すると、「技術面による妥協の割合は小さくなるが、自分の理想が表現しづらくなる」という状態になる。


これを解決する方法は明確で、前者は「自分の技術を全て上げていく」で、後者は「自分の思い描く世界観をできる限り漏れなく他人に伝える術を鍛える」ことです。

どっちが優れているというのはないのですが、僕は現時点で後者を選んでいます。

自分の手で制御可能なものは今まで散々作ってきたので、アンコントローラブルな他人の感性を混ぜ込むという、今までと違うことをやりたいってのもありますし、「他人に自分のやりたいことを伝える術」を体得できるならこんなにいいことはないと思ったからというのもあります。

つまり今の僕の役割のうちのディレクションの部分は、突き詰めていくと「作品の世界観をどう伝えるか」ということになるんです。単に指示をすればいいというわけじゃなく、目的は「世界観(イメージや理念)の共有」であって、指示はそのための手段です。

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余談ですが、自分は依頼する側の立場として「とりあえずやってもらって、後から修正点を伝えればいいや」という修正ベースの進め方はあまり好きではなくて、出来るだけ一発でOKを出したい派です。

依頼を受ける立場の自分がそうなのですが、ちょっとした部分の修正なら全然いいのですが、大幅なテーマ修正みたいなのがクリエイターとして結構萎えなのは知っていますし、

ダメを出す方も言い方などいろいろ気を使って消費カロリーが凄いので、最初にできるだけちゃんと伝えておくか、伝えなかったならば振れ幅を大きく想定しておくのが結果良いものができる気がします。

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作詞作曲編曲は下ごしらえ

僕が作っているのは楽曲なので、まず僕が作詞作曲編曲まで全部やってから各方面に依頼をするのですが、ギターやベース、ボーカル、ミックスくらいまでくると、自分一人では絶対に作りえなかったであろう綺麗なものになってきます。

自分一人で完成させていたらじゃりじゃりの泥だんごだったものが、磨かれてピッカピカのボールになっていくような感覚です。

こういう感覚は一回だけじゃなかなか味わえなくて、何回か人と作るというのを繰り返していくとわかる感覚かなと思います。奇跡的に初めてでその感覚を味わえることもあるかもですが。


こうなっていくと、自分がした「作詞作曲編曲」というのは骨組みを組んだだけであって、料理でいえば下ごしらえくらいのものだなと思うのです。

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いい火加減で焼いてくれる人がいなければ、いいソースを作ってくれる人がいなければ、いいお皿に盛りつけてくれる人がいなければ、この作品は完成しなかったわけです。

僕がやったことはお題を与えただけで、各スペシャリストにそのお題で存分に遊んでもらっただけで、いかに遠慮なく遊んでもらうかが大事だなあと最近は感じています。

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想定外を楽しんだもん勝ちなところもある

自分の中で「絶対こう!」という確固たるものがあり過ぎると、他人と何かを作るのはストレスになると思うのです。

というのも、自分と同じことを考えてる人はいないので、どれだけ正確に伝えたとしても返ってくる答えは自分の想定と若干ズレていたりします。


大事なのはそれに隅までNOを突き付けるのではなく、「そう来たか!面白い!ならこうしてみたらもっとこうなるのでは?」と相手のアイデアに乗っかってグルーヴしていくことだと思うのです。

想定外をネガティブに捉えるのではなく、波乗りのごとく乗っかって楽しむ。

ぶっ飛びすぎて世界観がブレ始めたら改めてまた世界観を共有し、互いにチューニングする。それくらいでいいと思うのです。

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世界観さえブレなければどれだけ想像力を発揮してもブレることはない気がするので、ディレクションをするときはとにかく世界観をしっかりイメージしてもらうってのが大事だなあと、最近は思ってます。


チーム体制でやってる人たちからしたら「何を今更...」って感じな気がしますが、最近の気付きでした。


YouTubeチェンネル見てみてね。八月はたぶん曲出します。


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