見出し画像

1年間のキャリアチェンジプログラムinロンドン - On Purpose

こんにちは。新品のPCを昼間に(勝手に)置き配にされて、夕方帰ったときには家の前になかった者です。ロンドンに暮らすとサプライズが絶えないですね。

今回は私が10月から参加しているキャリアチェンジプログラムについて書いてみます。
私はこのプログラムを通じてインパクト投資団体に派遣され、これからその体験を綴る者です。
今後ロンドンベースのこのプログラムに参加する日本語話者いるの?という感じですが、雑談がてら。

私が参加するプログラムはOn Purposeという団体が行なっているAssociate programです。

Purpose drivenな仕事をしたいAssociates(以下、参加者)と、そのような職場環境を提供する組織(Placements Hosts)をマッチングさせ、1年間のプログラムを運営しています。

プログラムの仕組み

1年間の期間中、参加者は6ヶ月×2つの組織で月曜日〜金曜日午前まで短期契約として普通に働き金曜午後はプログラム参加者で集まって講義やメンタリングを受けます。

参加者からするとお給料を貰いながら業界経験がつめて、ネットワークができる。メンタリングが受けられる。同じくキャリアチェンジを希望する仲間やその先輩後輩と繋がることができるメリットが。

受け入れ団体からすると、比較的安価な賃金で、purpose ledな仕事にキャリアチェンジすることをフルコミットしている”優秀層”を半年×2回雇うことができ組織に新しい刺激がある。縁があればその後オファーを出すことが出来る→お試し採用の後正式採用でき、効率の良い採用というメリットがあります。

受入団体はこのプログラムに参加するためにOn Purposeへupfrontでフィー(£7.5K-£12.5k=略100-150万円)を払い、プログラム後に参加者がオファーを受諾すれば更にフィー(£11k-£16.5k=略150-200万円)を支払います。
このフィーでOn Purposeは運営されています。
On PurposeはCertified B corpで、Non-profitとして登記されています。

選考過程

選考は志望理由や保有スキル、チームで働いた経験などのエッセー(set of questions)をwebで提出、その書類審査に受かったら面接×3回(人柄やキャリアに関して2回、ケース面接1回)です。

エッセーではOn Purposeが求める4つの軸に沿ってアピールします。
1.Motivation and Persistence 高い目標・実現する力
2. Interpersonal skills 対人コミュニケーション
3. Attitudes and mindsets 変化に強くオープンマインド。このセクターで働くコミットメントを形にできる
4. Problem Solving 課題解決・数字での分析ができる

興味深かったのは、以前書類審査には1分間のビデオ審査もあったものの、今年から(人種や年齢等外見からの)バイアス/偏見を最小限にするためエッセーのみCVとの突き合わも行わないブラインド審査になったとのことでした。
英語での学歴がない私には有り難かったと思います。
オンラインセミナーで「大体200-300人くらい応募があって面接に100人くらい進み、最終20人合格」→倍率10~15倍 と言っていました。

応募条件

1.オフィス勤務の社会人経験3年以上
2.英国でプログラム期間中(1年間)働くビザあり、
3.英語はFluentに話せる 
の3つです。

日本生まれ育ちの私にとって3.は恐怖でした。
出願時に「ビジネスレベルではなく、ネイティブ並みに話せますか?」という質問があり、念押しこわ・・・・!となりました。ここは英国、自信がなくてもYESと言っておいた方がいいのは私にもわかりました。

プログラム終了後

この1年間のプログラムが終わる頃には自分で仕事を見つける必要がありますが、過去参加者の50%はプログラム中に働いたどちらかの組織で働いているようです。→On Puposeは50%の確率で成功報酬を受け取ってますね。
就活のサポートはしっかりとあり、狭い業界では知名度が上がってきているプログラムなので、インパクト周辺の世界では卒業生として箔がつくと聞いています。
箔がつく部分は現時点で私は懐疑的ですが、CVにこのチャレンジの経歴が残ることはプラスに捉えています!

アルムナイコミュニティ

このプログラムは今年で12年目ということで卒業生もロンドンだけで364人おり、パリ・ベルリンを合わせると700人以上
似た関心を持って学位ももらえないこのプログラムに飛び込むような人たちの集団なので、アルムナイコミュニティも強いようです。(伝聞ですが…)

以上、プログラムについてでした。以下は余談です!

私は何で応募したの?

自己紹介エントリでなぜこの業界かは少し言及させてもらいましたが、

1.インパクト投資業界で働きたかったから。(派遣先に多数インパクト投資団体があることを知っていました)
2.似た思いを持つ友人ネットワークが英国に欲しかったから。

3年前イギリスに移住した時インパクト業界にダメ元で応募しましたが、面接には一つも呼ばれませんでした。十分な学歴や職務履歴がなかったので悲しいけど想定の範囲内。

そもそもイギリスではたとえMBA卒業直後でも面接に呼ばれる確率は低く、競合となる候補者の数が日本と比べて多い気がします。
日本語ができないと仕事を得づらい日本とは違い、職を求めて移住してくる外国人も絶えないですし、EU圏の人はまだイギリスで簡単に働けているように見えるので、無理もない気がします。

また経験主義なので、インパクト投資未経験者が業界に入るのは狭き門です。特にこの業界は今人気が高く、投資銀行やファンド出身者、もしくは修士号等の学生をしながらインターンで経験を積んで入るのが正攻法な気がします。そんな小さな業界に入る入り口として、私には貴重な機会を与えてくれるプログラムだと思いました。

また英国ベースの同期が20人ほどいるのも私にとっては魅力でした。
海外移住組の多くが悩むことだと思うのですが、自分の古くからの友人が誰も近くにおらず、”自分の”興味関心を共有できて、これから長く付き合える友達がいたらなあ、と思いました。たまに日本人の共通の知り合いがいる方と知り合うこともありますが、大学院なら1年、駐在でも数年で帰国しちゃうんですよね。
夫や娘を通じて知り合った友人も貴重で有り難いのですが、インパクト投資のようなニッチ業界に興味がある友達で、これからもロンドンではならなかなか見つけられなくて!

ではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?