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コンサルタントインタビュー(古田 直裕編)

こんにちは、縄文アソシエイツのnote担当です。今回はコンサルタントの古田 直裕のインタビューをお届けします。ちなみに古田は一昨年「ネクスト・リーダーシップ」という本をPHP研究所から出版していますので、興味がある方は是非そちらもご覧ください!

古田 直裕(Naohiro Furuta)
立教大学理学部卒業。カーネギーメロン大学テッパー経営大学院修了(MBA)。カーネギーメロン日本同窓会主幹事。巴川製紙所で中国投資など海外事業の運営全般に携わる。留学後は、米国グレンジャーで中国・インドでの販路拡大やモノタロウの海外事業を支援。日本人がグローバルに活躍するお手伝いをすべく、縄文アソシエイツに参画。

ーー前職までの経験を教えてください。

大学では理系で、触媒の立体構造の計算をしていましたが、研究者は自分でも向いていないと思ったので、大学院に行かずに学部卒で就職。しかも事務系一本で就職活動も行いました。ただ、技術は好きだったのでメーカーに就職したところ、静岡の工場に配属になり、生産管理や品質保証、事業企画の部署を経験しました。事業も成長しており、尊敬できる上司に恵まれ、やりがいは感じていたのですが、リーマンショックなどで会社も成長よりは一旦我慢のステージになり、今思えば自分自身も少し我慢すべきだったとは思うのですが、若さも手伝って、会社を辞めて海外の大学院に留学してしまいました。

アメリカのビジネススクールに留学したのですが、当時、まさにGAFAのようなIT企業が現地でも急成長中で、採用を大幅に強化していた頃で、同級生の3割ぐらいがAmazonに内定をもらっている状況で、自然とECに興味を持ったものの、B2Bの方が何となく好きだったので、モノタロウの親会社であるアメリカのグレンジャーに就職。中国、インドでのB2BのEC事業の拡大と、モノタロウの海外事業の支援を前職では行っていました。

大学までは基本東京在住でしたが、静岡⇒ピッツバーグ⇒京都&兵庫と来てしまったので、東京で働くのは縄文アソシエイツが初めてです(笑)

ーー縄文アソシエイツに転職するきっかけは何だったのでしょうか?

やはり、前職で人の大事さを改めて知ったというのが大きいと思います。当時モノタロウの会長で、のちにLIXILの社長になる瀬戸 欣哉さんがグレンジャーにおける上司で、MBAを取って自分ももしかして優秀かもと勘違いしかけていたのを木っ端微塵に打ち砕いていただきました(笑)

私が瀬戸さんから学んだのは、① ビジネスを勝つためには、個々の力量に頼るのではなく、組織として勝てる仕組みを作ること、② ただし、勝つ仕組みを作るためには、リーダーに十分な力量が必要だということです。組織内に優秀な人を並べるだけでも、短期的には勝利できるものの、長期で勝とうと思えば、組織全体で勝てるように工夫するしかないということです。

ただ、個々として優秀な人が多い組織は世の中に沢山あれど、組織として勝てる仕組みを作っている会社はまだまだ少ないと思っており、そのギャップを埋めるリーダーを輩出するお手伝いをしたいと思ったことが、この世界に飛び込むきっかけになりました。実は、昔から人事に興味があったというわけではありません(笑)

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ーー縄文アソシエイツではどんな仕事をしていますか?

縄文アソシエイツではもうすぐ8年目になりますが、コンサルタントとしての仕事が6~7割、マネジメントや管理の仕事が3割程度です。前者については、自身もコンサルタントの一人として、企業から直接依頼を受けてエグゼクティブ人材のサーチを行っています。最近は、他のコンサルタントと一緒に動いて、プロジェクト全体のマネジメントを行うことが多いですが、CXOなどの執行役員クラスや社外役員のサーチについては、自身がメインになって候補者の探索や交渉に動いています。

また、リーダーシップコンサルティングという形で、人材サーチ以外に、人材のアセスメント、コーチング、サクセッションプランニングなどの、コンサルティングをリードすることもあります。

後者については、会社全体のリソース管理、新しいコンサルタントの教育や、マーケティングチームの立ち上げ支援など、会社全体のマネジメントも一部行っています。管理部門とITも管掌しているので、デスクトップの調子が悪い、社内のビデオ会議のスピーカーが聞こえないという場合などは、自分自身で現場に行ってサポートすることもあります(笑)

ーーヘッドハンターとして、得意な業界、得意な職種などがあれば教えてください。

やはりメーカー出身なので、メーカーの案件は好きですが、実はほとんどの業界の案件を経験したことがあり、この業界でないと難しいというのはあまりありません。ただ、最近は、プロスポーツチームやアートハウス、コンテンツ系の会社などから依頼が来るケースもあり、少し変わった業界の案件の方が面白いと思うときはあります(笑)

職種も、エグゼクティブであれば、金融専門職などを除けば、ほぼ全職種のサーチを経験しています。社外役員も、企業経営経験者、女性、外国人、官庁OB、大学教授、士業と全ての分野でご紹介したことがあり、自分の中では、勝手にフルスタックコンサルタントを名乗っています(笑)

ーー今まで関わったサーチの中で、印象深い案件、出来事はありますか?

もちろん、売上数千億円から一兆円を超えるような会社に、社長、CDO、CTO、CFOなどの超大物を紹介した案件はどれも印象に残っていますが、そういった大型案件は、現実的には年にそう何件もあるわけではありません。実際は、ポジションに関わらず、相手へのインパクトが大きいと感じる仕事は、それが部長クラスの紹介であっても、売上だけで言えばまだ成長途上で数十億円規模の会社でも、どれも印象に残っています。

上記のような例については、守秘義務もあるのでなかなか具体例は説明しづらいのですが、案件を進める中で、不思議な偶然に導かれるように企業と候補者が繋がっていく案件もあり、そういう案件はとても印象に残っています。

一例として、候補者の方と同行して、相手の本社に最終面談に向かうとき、なかなか駅にタクシーが来ず、このままでは間に合わないということになったときに、たまたま社員の方用の送迎バスを見つけて、運転手の方に事情を話して乗り込んで間に合ったと思うと、面談が終了後、帰り際にその会社の退任直前の役員の方と会い、目の前に候補者がいるとは知らず、その会社が必要としている人材の話になり、まさに候補者そのもののような人材が欲しいと言い出したことで、いろいろな偶然が縁を後押ししているように、候補者も私も感じました。

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ーーここ数年で、仕事上、何か変化を感じることはありますか?

良くも悪くも、日本社会でも転職が一般化した印象はあります。人材の流動化が進むということは、人材の適正評価が進むということであり、基本的には賛成なのですが、最近少しだけ懸念しているのは、企業も候補者も、転職に絶対を求める傾向が増えてきたと感じるところです。

投資と同じで、転職に100%成功ということはありません。よって、絶対に成功する転職というものは、絶対に成功する投資というぐらい怪しいのですが、転職に伴うリスクを過小評価したり過大評価したりして、リスクを出来る限り避けようと、小手先のテクニックに走ったりという感じで、転職というのは人生を賭けた決断になり得るということを、企業も、私たちのような間に入る人間たちも、候補者自身も、忘れている時がある気がしています。企業も候補者も、自分たちだけリスクを最小化しようとする行為は、実は相手の側のリスクを増やしていないかも含めて、転職が一般化してきているからこそ、お互いの信義や、バランス感覚を大事にすべきだと思います。

ーー話は変わりますが、休日の過ごし方を教えてください。

まだ子供が小さいので、家族で一緒にどこかに行くことも多いですが、インドア派なので家でゴロゴロしてしまう日もあり、コロナ以降はリモート勤務が増えて、明らかに運動量が減っているので、何か運動をしたいと思っています。野球が好きなので、本当は子供とキャッチボールがしたいのですが、向こうはあまり乗り気でないですね(笑)

あと、決しておしゃれではないのですが、以前、定年退職したコンサルタントの方に身だしなみの大切さを教えていただいたこともあり、昔はかなり適当だったのですが、最近はスーツやワイシャツ、靴などは仕立てることがあり、ファッションにこだわるのも面白いなと思っています。ただ、どうしても、デザインより素材や製法に目を向けてしまう辺りが、自分でも理系だなと思います。

ーー最後に、インタビューを読む方にメッセージをお願いします。

万人にとって良いコンサルタントを探すより、あなたと相性の合うコンサルタントを探す方が、最終的に転職をする、しないということも含めて、人生の転機を迎えた際に良い結果に繋がると思っています。企業が人を探す場合に、誰にお願いするのかも基本は同じだと思います。

有名だからではなく、このコンサルタントのことなら信用できる、極端に言えば、このコンサルタントに騙されたのなら自分の見る目がなかったと思える相手を探してみてください。

ーーインタビュー、ありがとうございました!

ありがとうございました。

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