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忘れられない先生

僕の人生で大幅に成長した時期は、中学生の時でした。
当時はゲームなどで遊んでばかりで成績が悪く、頻繁に遅刻をしていました。

ですが少しずつ考え方が変わり成績が良くなって、高校の入学式で宣誓を任せてもらえるところまで行ったのがこの時期です。

中学生のときに身についた価値観は今でもあまり変わっていません。

そんな価値観形成に影響があった先生方の話をしたいと思います。


1人目は、国語のS先生でした。

S先生の授業は2パートの構成になっていて、最初に「今日の言葉」という偉人が残した名言などを紹介するコーナーがあり、その後教科書の内容に入りました。

この「今日の言葉」が、当時の僕にはものすごく面白く、考えさせられました。

例えば、
「啐啄の機」
これは、雛が殻の中からつつくのと親が外からつつくタイミングが合うことで生まれる、外からつつくのが早くても遅くても生まれることができないということから、学ぶ者の準備ができた時に教えることで成長できるという意味です。

もう少し広く捉えれば、チャンスが降ってきた時に自分の準備ができていれば、そのチャンスを掴み結果を出すことができるということです。

チャンスはいつ降ってくるかわからないため、いつでもつかめるように準備・努力をし続けるべきだと、それを聞いて考えました。
今でも意識しています。

他には、
「過去と他人は変えられない、未来と自分は変えられる」
そのままの意味ですが、余計なことにストレスを抱えなくなり、自分の成長に集中できるようになりました。

中学2年の僕にはとても魅力的で今も頭に残っているほど印象的でした。

また、ある定期試験でボーナス問題として、
「人事を尽くして天命を待つ、の意味を答えなさい」
というのがありました。
まず思いついた回答は、自分のできる限りのことをしたらあとは運命にまかせる、みたいな感じですが、みんな同じこと書きそうだと思い、神に祈る前に自分にできることを全部やれ、と書きました。
S先生はその回答にはなまるをつけてくださり、あ、自分なりに考えて大多数が言わなそうなことを言ってみるのも良いことなんだと思いました。

その後意識していますが、面白がってもらえることが増えて楽しくなりました。

S先生はクラシック音楽も大好きで、定年後オペラ歌手になり今も精力的に活動されています。
授業も面白く趣味も楽しんでいるとても素敵な先生です。


もう1人書きたいのは、同じ中学の音楽のK先生です。

僕は中学2年から音楽の部活に入り、その顧問でもあります。
その部活では定期演奏会で部員がローテーションで指揮者をやります。
僕も指揮をしたのですが、人前に出ると足が震えてしまう僕が、指揮の時は震えよりも楽しさが上回りました。
本番を3回目に迎えた時には指揮してる最中は全く足が震えませんでした。

それで、指揮を勉強したい!と思い、「指揮の先生を紹介してほしい」と、卒業後すぐK先生にメールしました。
快く探してくださり、音大の教授の方を紹介してくださいました。

しかし最初は僕の未熟さで、その指揮の先生をイライラさせてしまいました。
メールの書き方や言動が失礼だ、やる気あるのか、と思わせてしまいました。

そんな時にもK先生は、何がイライラさせているのか、どうすれば良いかを僕に丁寧に優しく教えてくださり、なんとかその後も指揮の先生に教わり続けることができました。
心の底から感謝しています。


僕にとって中学時代は一番成長した時期だと思います。
それは魅力的な先生方にお会いできたからです。
今回書いた先生方以外の先生もものすごく個性的で魅力的でした。

僕もそんな大人になりたいと、たまに中学時代を思い出しています。

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