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五十代、二次創作を一年間頑張ってみた(半年経過②)

 *個人的な考えが満載なのでお許し下さい。

 約三十年間抑えられていた「書きたい」という欲望が解放された今、五十代の私は爆走した!
 娘が喜んでくれると思うと頑張りがいがあり、頭に浮かぶ妄想があっという間に作品となる 。
 今思えば凄く筆が(いや、指が?)ノリにのってたし、推しカップル(CP)のキャラやその他のキャラに対して、私なりの愛着が湧き始めていた頃だ。

 だが、当の娘の反応がだんだんイマイチになっていくのである。
「うん、面白いよ」
 という娘の言葉は棒読みと想像して欲しい。どうやら、私の書く話は、娘の好きなCP傾向より少し恋愛色が強かったようだ。
「いや、あんたの薄い本ってこんな感じやん!」
 と言うと
「あれは昔。今はなんていうか、べたべたの恋愛よりブロマンスな感じがいいねん……」
 まったく、乙女心はなんとやらだ。
 仕方ない、このまま私の方向で行くしかないと諦め、初めて歴史系ではない軽いコメディタッチの作品を投稿した。
「わ!」
 驚いた。
 はじめて「いいね(ブクマ)」を十以上頂き、さらにフォロワーも増えた。娘がそっぽを向き出した今、見知らぬ方々のブクマが創作の励みとなったのは言うまでもない。

「どうしたらもっと見てもらえるかな」
と考えてた私は、人気の作家さんの作品やブクマが多い作品をさらに読み込み、Xでその界隈が盛り上がっている最新情報を観察したりした。
……凄いなぁ、本当に凄い。
 皆さんの「推しCP」に対する愛と妄想の迫力!私のような急に湧き出たおばちゃんが創作を始めました!なんて言ったら怒られるんじゃないか。などと思った。
 自分の作品を見てもらうためにXでお知らせするのが良い、という話もあるが、そこは殆ど繋がっている人達の交流の場に見えるので、新参者の作品のお知らせをポストするのはなんだか気が引けてしまう。いきなり見ず知らずの私が「支部」の作品をお知らせしても、覗こうとしてくれるのだろうか?などと持ち前の臆病風を吹かせてしまい、「ポストする」が押せない。この界隈の、というより、二次創作のSNSのルールもよく分からないのだ。
「やってみたら〜」
 娘は他人事だ。
「じゃあ、あんたも次にあげる時にしてみたら?」
「私はしないよ〜」
 なんでやねん!
 絵に描いたようなツッコミを脳内で入れる。
「まぁ、実験ということで」
 と、せーのっ!と娘に教えて貰い、作品のリンクをポストしてみた。
 やってもた……。
 と携帯を眺めながら、これがどうなるのか静観……な訳もなく、私は気になって、何度も何度も携帯を開いては閉じを繰り返した。

 結果、やはり何も起こらず(ですよね)、私は数日後、そっとポストを削除した。

 そして、「全年齢」のみ創作していた私はついに、R-18に挑戦することを決心した!

 他の方の「超色っぽい」作品は閲覧数もブクマも多い。それを覗くと……。
 まぁ!まぁ!まぁ〜!である。いやぁ、世の中変わったなぁ……なんてビックリしてしまった。
 二十代の妄想力が有り余る時代を過ぎて約三十年。いろいろな現実にまみれ、諦めることを知り、斜め目線で生きて来た私にはハードルが高すぎる!確かに二十代の頃には、一次創作にてストーリーの流れで必要な色っぽいシーンや、◯◯◯シーンを入れたことはある!
 どうしよう。
 私は少し考えて、とある海外古典文学の好きな作品をベースに「超色っぽい作品」が集まるR-18タグの中に「チョイ色っぽい」作品をチャレンジ投稿する決心をした。多分、人生半分以上は過ぎているはずだ、今しないと後悔するかもしれない!

 少し脱線するが、二年前、初めて一人でとある「牛丼屋」さんにテイクアウトをしに入った。凄くドキドキしたが、上記の人生半分以上〜云々と思うと、体験しないで人生終わるのは勿体ない!と感じたからだ。……なぜ今まで行けなかったかというと……情けない話、ただのビビりです。すみません。

 話は二次創作に戻るが、私には越えなければならない山がもう一つあった。それは、成人をとっくに迎えている娘の「検閲」だ。母として、「チョイ色」の創作物を娘に提出するという何ともいえない状況はいかがなものか。子供の頃に経験したあの「処刑」以上の拷問だ。
「お母さんならちゃんとした『意味のあるもの』を書くんだよね」
 さらりとハードルを上げてくる。
 私自身、ハードな色物シーンに少々抵抗(すみません)がある方なので、登場人物の心の動き等、細かく描くように注意した。兎に角、愛のシーンは「美しく」あって欲しい、などと自分のときめきのまま書いた。

 かくして作品は完成、シリーズ物で十話。娘のOKを無事に頂いたものの、何度も何度も書き直したり足したり引いたり。ようやく納得した時点で投稿とあいなった。

 一話は初めて二十以上のブクマを頂いた。ウォッチリストに十人近くの方が入れて下さったのも嬉しかったし、閲覧数は今現在、私史上で一番多い。だが、二話、三話と話が進むにつれ、閲覧数とブクマ数は減っていく。
「色物に振り切れてないからかな〜」 
 と呟く。
「シリーズ物は一話だけにブクマ付ける人が多いよ」
 と娘は言ってくれたが、頑張った分だけ落胆も大きく、段々ストレスを感じるようになって来た。
 話はすでに完結して手元にあるのだが、投稿を続けるのも嫌になっていく。
「これって面白いんかな?出してて大丈夫なんかな」
 折れそうになりながらも(大袈裟ですね)更新の度にブクマを付けてくれる、数人の方のためになんとか全て投稿した。

今振り返っても、あの方々の存在は本当に有り難かった。出来ることなら一人ずつ握手して、抱きしめたい!(キモいですね)と思っている。

 そして、同じ時期に初めて「ブクマ外し」なるものも経験した。買った本を処分するのと同じようなことだと割り切るが、もともと少ないブクマが減る様子がハッキリと見えるのは、寂しかった。

創作が楽しくない……。
そうか、これが『投稿疲れ』なんだと気付き、我に返った。

 私はどうして二次創作を始めたのか?と。

 なぜ表に出る数字にばかり目が行ってしまっているのか?と。
 そうだ、振り回されているこの状況は本末転倒ではないか!楽しくて始めたのに、人の評価だけが気になってしまうこの状況はマズいんじゃないか?

 そう思い始めた頃、私はとある方々と出会うことになる。

③に続く
次回は「相互」さんとの出会いと、「実家(前のジャンル)に帰ってしまった」娘の話をレポートします。












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