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新米ライターが3か月で約50本のインタビュー音源を聞いて気付いたこと

わたしが今お世話になってなっている、企業の社内報やパンフレットを制作するお仕事の中で、他の人がインタビューした音源を聞いて記事に起こすというものがある。

10月からスタートし、約3か月間で50本近くのインタビュー音源を聞いてきた。これがとても勉強になる。インタビューする方にもされる方にもいろいろなパターンがあって、「なるほどこういうこともあるのか…」と、良いイメージトレーニングになっている。(そしてビビってもいる)

今後インタビューをする際に思い出せるよう、新米ながらに気付いたポイントをまとめておこうと思う。

◆選ばれた理由や背景をしっかり伝える

インタビュー対象は様々な企業の社員さん。まず前提として取材され慣れていない、そもそもそこまで乗り気でもない、という人が多い。

「偉そうだと思われたくない」「大袈裟だと思われたくない」という気持ちから、とにかく謙遜してしまう。
「全然そんなんじゃないです…」「わたしなんて本当何もしてないんです…」というスタンスが続いてしまうと記事にならないので、

・あなたが選ばれた理由
・企画の趣旨

などをしっかり説明し、納得・安心して話してもらうことが大切。

(そして、取材対象者が偉そうに大袈裟に思われないように記事にするのは、ライターの仕事なのだと自覚する。)

◆取材のゴールを冒頭で確認しておく

忙しい本業の合間をぬって取材を受けてくれているので、決められた時間もしっかり守らなければならない。
あらかじめ質問リストを送っておけない場合でも、「今回は、最終的にここまで聞きたい!」ということを冒頭で確認しておくことが重要だと学んだ。相手はあと何問あるのかわからないまま答えていたりするため、最初に全体像がわかるように具体的な質問数なども示しておくと双方でペース配分を意識できる。

特に経営層の皆さんは、話すのが得意で熱い想いをもっている方が多く、1つの質問に対してとても熱心に話してくれる印象がある。
とてもありがたいし、時間が許せばたっぷりお伺いしたいのだが、そういう方たちほど、時間がなかったりするものなのだ。。

◆具体的に聞く

インタビューをする際はできるだけ具体的な情報を聞き出す、というのは基礎的なポイントだが、意外とこれも難しい。

当然、ただ「例えば?」「具体的には?」と聞けば良いというわけではない。自分が言ったことに対して「例えば?」「具体的には?」と何度も聞かれ続けるのはあまり居心地が良いものではなく、「あなたの話は曖昧でわかりにくい」と言われているような気分になってしまう。

質問を細分化し、具体的な情報を自然に引き出すテクニックが必要なのだ。

【NG】
ーこだわったところはどこですか?
全体的にいろいろこだわりました
ー例えば?
まずは色味とかですね
ー具体的には?

質問がざっくりしている上に、話し手任せで感じが悪い。

【OK】
ー冬らしい質感や珍しい色味が素敵だなと思ったのですが、中でも一番のこだわりはどこですか?
全部こだわりましたが、確かに色味などは特に考えました
ーこちらは今トレンドの色なのでしょうか?
ーこのような商品ではあまり見ない色だと思うのですが、どんなところが決め手だったのでしょうか?

具体的に答えやすいような質問にする。

また、内容によっては再現性、つまりそれを読んだ人が真似できるような情報を聞き出すことが大切だ。

【NG】
ー高い目標をどのように達成されたんですか?
とにかく必死に勉強しましたね
ーたくさん勉強されたんですね
はい、寝る時間も削って頑張りました

「必死に頑張った」「寝る時間も削った」だけでは抽象的で再現性がない。
どんな教材を使って、どんな勉強方法で、どうやって時間を確保して、どれくらいの期間、1日何時間やったのか。工夫や難しかった点なども踏まえて聞くことで初めて読んだ人にとって有益な情報になる。

◆魅力的になるように聞く

もはや具体的に聞くのは当たり前。インタビュアーの心構えとしてはその先の「魅力的になるように聞く」というのが重要なポイントである。(ただ事実を確認するだけでは、取り調べのようなインタビューになってしまうのだ。)

【NG】
ー御社に入社された理由を教えてください
家から近かったからです
ーなるほど
通いやすいから良いなと思って
ーありがとうございます

…いやいやいや、そうかもしれんけど!!
家から近ければどこでも良かったんかい!となってしまい印象が悪い。
(ちなみにこの質問は結構多いのだけど、「近かったから」「前の会社より給料がいいから」「残業がないから」など、本当に素直に答えてくれる方が多くて困ったりする…)

【OK】
ー通いやすさは重要ですよね、その中でも御社を選ばれたのは仕事内容や職場の雰囲気といった点も関係があったのでしょうか?
ーどのようなご縁があったのでしょうか?

など、会社や対象者ができるだけ魅力的に映るように聞き直す。
ただし、インタビュアー側があまり強引に誘導するわけにもいかないので、ここのテクニックは難しいところ。。

また、せっかく魅力的な内容を話してくれていても、それだけでは読者には伝わりにくいこともある。

【NG】
ーそのような工夫をされた結果は?
10月はたくさんタイヤを売ることができました
ーたくさんというと何本くらいでしょうか?
40本は売れましたね!

具体的な数は聞けているように思えるが、これだけではそれがどれくらい凄いことなのかがわからない。
他の月や、他の店舗と比べて、どうだったのか、深堀りする。

おわりに

言うのは簡単。実行するのが難しい。
(先輩方を心から尊敬しています。)

いや~大変な仕事だ。大変だけど面白い。これからもたくさん勉強させていただきながら、今後に活かしていきたいと思う。





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