見出し画像

ミュージカル ダディ・ロング・レッグズ 日英楽曲比較9「他の子たちとは」

他の子たちとは Like other girls (Reprise)
音楽・詞 ポール・ゴードン 脚本 ジョン・ケアード 訳詞 今井麻緒子

短い曲ですが、好きなので取り上げてみます。

手紙に自分のことが書かれているので「養育者としての仕事なのか、盗み読みなのか」と迷うジャーヴィスの心情を歌っています。
私としては「盗み読みでは…」とツッコミたくなりますが(笑)

ジャーヴィスの英語は難しい。ジルーシャの英語と明らかに違う。
もちろん大人ということもありますが、教養人の英語なんですね。
私はあまり精通していないですが、シェークスピアの戯曲などに出てくる表現など知っていると、また見えてくるものがあるのかもしれません。

だって違っているから
くだらないこという
他の子たちとは
悲劇のヒロインぶってる
他の子たちとは

And I scarecely can believe it
For she will never be
Like other girls
Settle for less
Like other girls
Be invasive or conniving or a damsel in distress
Like other girls

I scarcely can believe it = 信じることができない
invasive 出すぎた、プライバシーを侵害する
conniving (欲しいものを手に入れるために)悪巧みをする
damsel in distress 苦難の少女、捕われの姫君

これは訳詞に苦労したのではないかと思います。
Settleは「落ち着く」ですが、 settle for less で、多くを手にせずに落ち着く(=結婚して家庭に入る)という意味かと思いました。
物語の最初ほうで、女の子はせっかくの教育を、最初に出会ったくだらない男と結婚してドブにすててしまうというようなことを言ってましたね。invasive, conniving, damsel in distress の部分をまとめて「くだらないこという」にしたのでしょうか。

この歌の後、ジャーヴィスがロックウィロー農場にジルーシャを招待するシーンがあるのですが、招待の手紙を読んだジルーシャがジャーヴィスのことを「いいヤツ」と呼ぶセリフがあります。
これがすごく現代風な言葉だったので、もとの英語は何だったのか気になってました。調べてみるとYou are such a brick とあり、brick =「頼りがいのある人物」の意味だそうです。

こちらの資料を参考にしています
英語版台本 https://www.mtishows.com/news/free-read-daddy-long-legs 日本語CD  https://amzn.to/3U19J9n
英語版音源    https://amzn.to/3d6z4hK


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?