jolly_rabbit6124

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迷宮の世界へ 第2章 2

マサは自分が森の中に入り込むなんて思いもしなかった。説明にもなかったからだ。いざ猛獣に出くわしたら槍で戦えるのだろうかと一抹の不安がよぎった。 ユイは自分が直接戦えるなんてわくわくしかない。早速猛獣と戦いたくて森の中を歩き回った。水場に飲みにくるかもしれないと思い水場を探す事にした。 ケンは思っても見なかったゲームに驚き、とりあえずどのペースで猛獣に出くわすかわからなかったため、食料を探しながら歩きだした。 各々違う場所に降り立ち、サバイバルが始まった。

    • 迷宮の世界へ第2章 1

      迷宮の世界へ お試しどうぞ マサはやってみようとホームページの説明を読んだ。 最初に武器を選び、10頭の猛獣を倒すものだった。 槍を選びスタートボタンを押した。 「えっ」 ユイは戦うゲームが大好きでたまらなかった。これは楽しそうだわ。刀を選びスタートボタンを押した。 「ここは」 ケンはどんな猛獣かワクワクしながら斧を選びスタートボタンを押した。 「森の中だ」 3人共、驚きを隠せなかった。自らがゲームの中に入るなんて。

      • 迷宮の世界へ 最終章

        これからどうしようというんだ、俺一人で何ができる。ゲーム機をよく見てみよ。やはりゲームオーバーのままだ。ボタンを押しても何も反応がなく、壊れた模様だ。タカのもそうだった。あっ!一度コンセントを抜いてもう一度電源を入れ見よう。恐る恐る作業を進めた。前みたくいきなり飛ばされるのは勘弁だ。 ピコーン。 あっ!動いた。目次が出てきた。森以外にも城やビルなんかもある。ここで武器を買うのか。その前にボタンを押してしまったんだな。押さないようにそっと画面を調べた。やっぱりどこにも住所や

        • 迷宮の世界へ6

          「試作のゲームプレーヤ―は3人ですね」「そりゃそうだろう、知名度はないんだから。3人もいただけでありがたく思わなければ。HPは削除したかね。」 「そうですね、試作で実験しなければなりませんからね。3人見つかって良かったです。HPは削除しました。」 「あぁ。タカという男はどこに消えたんだ?」 「博士曰く、ゲーム内でやられたら体ごと消えるようになっているので現実の世界では行方不明扱いになるようです。」 「行方不明か。」 「残りの2人が10頭倒し、無事現実の世界に帰って来られれば合

        迷宮の世界へ 第2章 2

          迷宮の世界へ 5

          ひとまず小屋に入ってこれからのことを考えよう。 互いに自己紹介をした。タカと言う名で社会人であり、僕より一回り大きい体躯であった。 タカは「協力すると言っても獲物は譲らないぜ」と言った。 こんな状況化の中で譲っている場合ではない。タカに「もちろん」と答えた。 しかし10頭を仕留めるって気が遠くなるなぁ。それも武器というものもない。 普通ゲームなら課金して武器を調達したりできるのになぁ。 狩りもだが、食料も考えなければならない。タカに「食料ですが、僕も木の実と水しか見

          迷宮の世界へ 5

          迷宮の世界へ 4

          う~ん。あるのは壊れかけの木の机と椅子だけだ。しばらく使用していないように感じる。ただの小屋だ。剛は今日こそはと思っていただけに落胆した。 しかし、あの動物は図鑑でも見たことがない。これはひっかかる。どう考えても自分でここに来るはずもない。俺は食事をしていた所までは覚えている。その時確か新作のゲームをしながらだったはずだ。ゲームは『迷宮の世界へ』というタイトルで、場所を選びサバイバルするものだ。そこから記憶がない。もしや、ゲームの世界に入ったとか。どうやって。そんなゲームが

          迷宮の世界へ 4

          迷宮の世界へ 3

          もう昼くらいか?進むもなかなか出口は見えない。途中水場があったのは幸運だったが、食べ物になるのはなかった。このままではと最悪なことがよぎったが、考えないようにして進むことにした。 だんだん暑くなってきたな。おやっ、向こうに小屋みたいなのがある。ようやく人がいそうな所まできた。全力で走った。ドアはここか。「すみません、道に迷ってしまって、どうか助けてくれませんか。お願いします。」 応答はない。もう一度伝えるも反応すらない。もしや……ドアノブを握り開けてみた。案の定誰も居なかっ

          迷宮の世界へ 3

          小説 迷宮の世界へ 2

          えっ何か聞こえるぞ。ううっ~。唸っている。森の中だ。動物がいるに決まっている。木の枝と石くらいしかないが、無いよりマシだ。えっ……目の前にいる。オオカミに角が生えた動物だ。それにしてもなんと大きい事か。見たことがない。 あまり刺激を与えてはだめだ。ゆっくりと後ずさった。その時僕を睨み付けながら飛び越え消え去って行った。 襲うつもりはなかったのか。一難去っただけで良しとしよ。他の動物もいそうだ。用心しなければならない。 しかしさっきの動物はなんて言う名前だ。全くわからない。

          小説 迷宮の世界へ 2

          小説 迷宮の世界へ

          ここはどこだ。 目覚めてみると森の中に居た。 昨夜は確かに自宅にいたはずだ。 思い出せない。いつどうやってここに来たんだ。そうだ、夢かもしれない。顔を捻るもしっかりと痛い。やっぱり現実か。早く帰らなければ仕事に行けない。いや命の危険か。誰か居ないかな。 歩いても人一人いない。森から出られなかったら今日もここで過ごす事になるのか。食事は?考えたら腹が減ってきた。何か食べ物を探すのが先だ。 ポトン ポトン おっ水の音がするぞ。行ってみよう。 岩肌から水が落ちてきている。とりあ

          小説 迷宮の世界へ