迷宮の世界へ 最終章
これからどうしようというんだ、俺一人で何ができる。ゲーム機をよく見てみよ。やはりゲームオーバーのままだ。ボタンを押しても何も反応がなく、壊れた模様だ。タカのもそうだった。あっ!一度コンセントを抜いてもう一度電源を入れ見よう。恐る恐る作業を進めた。前みたくいきなり飛ばされるのは勘弁だ。
ピコーン。
あっ!動いた。目次が出てきた。森以外にも城やビルなんかもある。ここで武器を買うのか。その前にボタンを押してしまったんだな。押さないようにそっと画面を調べた。やっぱりどこにも住所や電話番号が載っていない。電源を切った。はぁー手掛かりなしか。
「博士失礼致します。」
「やはりこれを世に出すのはまずのではないでしょうか。負傷しても現実では無事であるべきだと」
「そうねぇ。そうなるともっと多額のお金が必要になるね。」ニヤケながら言った。
その方が良い。博士のゲームは中止だ。こんなのはダメだ。俺の心臓が持たない。
「もう一度他のゲームを作って頂けないでしょうか。」
「わかったよ。」
「ありがとうございます。」
意外に博士は聞き入れてくれ安堵した。
被験者が3名で何よりだ。生き延びた一人を何とかしなくては。
剛は悩んでいた。俺だけ真実を知っている。だけど証拠というものがない。もう一度ゲームを調べるか。見落としているかもしれない。電源を入れた。ちゃんと動く。どこを見ても手掛かりになりそうなものはない。
ピンポーン。誰かきた。立った瞬間足元が崩れた。
ポチッ。
おっと。
ここは!森だ!誤ってボタンを押してしまったんだ‥‥
ガチャ
「おや。またゲームをやっているのか」
TV画面に剛が森の中を彷徨っている姿が見える。
「あんなに危ない目にあってもまたやるのか。博士の言うように人気が出る見込みはありそうだが。これはちょうど良かった。」
男は電源を抜きTVごとゲーム機を回収した。
「これで3人共行方不明だ。」
完。
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