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夫の浮気相手からかかってきた電話で言われたこと

こちらの続きです

話に進展がないまま、私と子どもたちは大阪へ戻りました。
そこから一か月ほどたったころ、私の携帯電話に番号非通知の着信がありました。

いつもより、けたたましく鳴り響く気がした着信音。きっとこれは、夫の運命の人だ! 女の勘とやらはやはり当たるもので、「はい」と電話に出ると、ヒステリックな女性の声で、いきなり怒鳴られました。

「あなたのせいで私たち結婚できないのよ!さっさと離婚しなさい! それか、死ね!」

常軌を逸した人の声を聞いて降りてきた言葉は、人の振り見て我が振り直せ。私は冷静でい続けよう。そう思わせてくれた、彼女との初トーク。

「すみませんが、離婚を決めきれないのは夫です。私は夫が戻りたいというなら、全てなかったことにするつもりでいます。そして、死ねと言われましても困ります。夫がご迷惑をおかけして申し訳ありません」

「なによあんた! 冷静なふりして私のこと馬鹿にしてるの?」
「はい」
「キー! 慰謝料請求してやるから!」

と言って、電話は切れました。ほんとに「キー」って言う人初めて見たわ。いや、聞いたわ。と思いながら、すぐ夫へ連絡しました。

「今彼女さんから電話がかかってきたんですけど、私の連絡先教えましたか?」

「ごめん、脅されて携帯の番号と家の電話番号と住所教えた」
(怖い、怖すぎるだろ。お前はアホか)

「あなたが一番分かっていると思うけど、すごく怖い人みたいなので、私と子どもたちに危害が及ばないようお願いしますね。あと、慰謝料請求するとか言ってたので、私に支払う義務がないこと、教えてあげてくださいね」

そうお願いしたのに、連日ヒステリックにキーと言うキー子さん(とお呼びしましょう)から、私に電話がかかってくるようになりました。

死ね! と怒鳴られたり、もう死んでしまいたい…と泣かれたり。忙しいお人、キー子。一切感情を出さずに彼女の話を聞くこと1週間。ついに私はキー子の心をつかんでしまうのです。

「私たち、友達になれませんか?」
(なぜそうなる?)

「ごめんなさい。お断りします。どうして私と友達になりたいと思ったのですか?」

「どうしたら彼と結婚できるのか。相談できる人があなたしかいないんです」

「あ、私、相談されていたんですね? 気がつきませんでした」

「どうしていつも冷静に私の話を聞けるんですか?」

「感情のコントロールを失うあなたを見て、自分はこうはなりたくないと思うからです」

「ですよね…」

今まで怒鳴ってばかりだった人が、急にしおらしくなると、それはそれで怖いもの。もしかして、言葉にしなくなったということは、本当に死んでしまおうとするほど追いつめられているのだろうか… 

 これを最後に、キー子から連絡が来ることはなくなりました。と同時に、夫とも連絡が取れなくなりました。


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