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『教育』は毎日が想定外

塾・予備校業界の現状

子どもに関わり続けて、20年が経ちました。

20年が経ち今思うことは、この業界に入りたてのころ、前会社の創業時のころは、子どもが好きで、『子どもたちを成長させたい』と思う魅力的な大人や教育に対して志を持った人の割合が高かった。

しかし、企業は一度会社を作った以上、売上などの規模をどんどん成長させなければいけない。
その事業拡大に伴い、教育に熱がなかったり、向いてない人がこの『教育業界』に入り込み、時には子どもたちの心を傷つけたりする。

教育は毎日が想定外

塾などの教育業界で働いてると、毎日想定外のことが起きる。
学校でも同じことが言えるだろう。
ものすごく勉強を頑張っていた生徒が何かをきっかけに、次の日はやる気がなくなったり、成績が下がってしまうことなんてたくさんある。
時には先生の何気ない発言が子どもを傷つけたりもする。
先生は『なぜ』だろ自問自答して、日々悩み、また生徒をやる気にさせるめに、答えのない解を追い求める。

しかし、他業種ではどうだろうか。

IT系やweb関連の開発はある程度の想定内で物事は進んでいく。
進んでいかないとすれば、仕事をする人つまり作業者に問題があると思う。

飲食店においても、おいしいものを作ることは日々、研究し続ければ難しいことはない。レシピ通り作れば、ほぼ思い通りの美味しいものが作れる。

しかし、教育業界の商売の相手はまだまだ未熟な『子ども』。
『ちゃんと気持ちを持った子ども』を相手にするからこそ、こちらの努力でなんともならないことや想定外のことがたくさんあり、気苦労が絶えない。

さらに今は昔のような、『右向け右』のような会社ではなく、多様性と重んじたり、個々に対応しなければいけない時代だからこそ、その労力は昭和に比べれば計り知れない。

教育に『システム化』はいらない

今の時代の中で、毎日想定外のことが起こる教育業界で、安易に『システム化』することは、返って子どもたちにとっては満足のいく教育ではなくなり、子どもたちにいい影響を与えることが難しくなる。

だから、『塾』は大きくなり過ぎてはいけないのではと思ったりする。

健全な塾運営のためにやること

①子どもに関わらせたい魅力的な大人がいない限りは店舗拡大はしない
②できるだけたくさん子どもたちが塾に通えるように受講料を抑える
 ↓そのために
●経費がかからない経営・運営をする『企業努力』が必須
●我々大人が『社会』や『教育』について学ぶ時間を作る努力をすること

塾業界において『全国制覇』なんて言葉いらない。
自分の企業が質の高い教育、つまりいい影響を与えることができる大人ができる範囲で拡大をすればいい。

一企業が無理に全国展開するより、各地方に熱心な先生がいれば、個人塾でも全く問題はないと思う。

最後に

他業種から転職して安易に誰でもできると思って、塾を開いてほしくない。
教育をやるということは物やサービスを売るのとは違い、子どもたちの将来も背負うんだと、ちゃんと覚悟を持った人が全国津々浦々、塾運営をしてほしい。

子どもが会いたいと思える先生の数だけ教室があればいいと強く思っています。


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