自意識えんぴつ

だだもれー。

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最近の記事

猫、人。各種一匹ずつ

 近づいても全然逃げない猫がいたので、眉間をトントンしてみました。すると猫は疲れをとる眠り方を教えてくれました。その猫はいつも他人の家で気持ちよさそうに眠っていたので、説得力がありました。  渋谷に人だかりができていたので覗いてみると、アンディ・ウォーホルが公開制作を行なっていました。「亡くなってからも精力的だなぁ」と思いましたが、予定があったのでじっくりは見ていけませんでした。  帰る途中、また猫に会いました。猫は現代文の教科書をパラパラとめくっていました。ひと通り眺めたあ

    • 宇宙・中央線改札付近

       宇宙ステーションにもラジオブースにも見える空間で、ファンクな曲がかかっている。ということはラジオブースなのか。この日かけられニルヴァーナの楽曲によって、ある女子高生の進路選択は大きく方向転換することになる。  吉田詠美は落語を聞きながらトマトパスタを作っている。今日の帰り道、中央線の改札付近で肩がぶつかった青年は名を石田晃士と言い、彼も帰宅中であった。彼は帰宅後、香味ペーストを使ってチャーハンを作ろうと考えていたが、レトルトのカルボナーラを食べることになる。  

      • ジジイと何かが通り過ぎた

         参考書を抱えて駅前を通り過ぎる女子高生を見て、「若い人は未来があっていいなあ」と考えているお爺さんは、空飛ぶ車椅子に乗っている。見てくれを気にしているうちに性格がつまらなくなってしまった男はとりあえずプリン屋さんで働くことにした。印刷会社よりはプリン屋さんの方が、何かがどうにかなるのではないかと思っている様だ。豪邸に住んでいる夫婦は忙しそうにしている。本当に忙しいのかも知れないし、忙しそうにしていることによって生活が保たれているのかも知れない。真実はわかりません。商店街でア

        • 思い出ぼろぼろチキン青年。

           気に入っている青い大皿に炒めたもやしと冷凍チャーハンを盛り付け食べる。それぐらいのクオリティで生き繋いでいるな、俺。白い壁はキャンパスの様だが決してそこに何か書き込んでいいわけではない。借家は故意に汚してはならない。そういったルールの中で暮らすことが常識的な人間のおこないなのだろう。たくさんのルールやマナーが山積し、それらを守ることによって社会は成り立っているらしい。  確固たる何かを確立したことのない1人の青年は、ルールや、そのルールによって成立している世界を傍観する。世

        猫、人。各種一匹ずつ

          近所の俺と犬が笑った。

           喜劇者が悲劇者を笑っている。この情景におけるポイントは、別に喜劇者は幸せではないということだ。喜劇者とはつまり彼のキャラクターであり、その場において彼に与えられた役割なのである。  ある青年は毎年同じ作物を育てる農耕民族になるより、世界中を歩き回る遊牧民でありたいと思った。しかしながら当時の一般市民は、自分の願望にかかわらず、家柄や生まれ育った地理的な条件によって生き方が決められていたのである。  ある老紳士はホットコーヒーを飲みながら文庫本を読んでいる。喫茶店では流行

          近所の俺と犬が笑った。

          生活はバズらない。

          歩き方を教えてくれよ。 鯨みたいに豪快な悲しみを背負った時、 漸く手に入れた喜びに飽きた時、 早くもない遅くもない 歩き方を教えてくれよ。 暗くもない、明るくもない。 久しぶりに乗る小田急線も、 家の近くの居酒屋も、 日付が変わる少し前 暗くもない、明るくもない。 古いラジオがなんか言った。 知らない絵を見た日の夜、 期限切れの豆腐を食った後、 やけに静かな私の部屋で 古いラジオがなんか言った。 ケーキ屋さんを始めよう。 お寺の坊主になれなかったら、 魔法使いになれなか

          生活はバズらない。

          アイデアマンなのにアイデアが無いことについて

           アイデアマンなのにアイデアが無いという事態が発生している。こういった事態に陥った場合、どのような佇まいでいたら良いのか。  そもそもアイデアマンなのにアイデアが無いという事態のなにが問題なのか。それは自分がアイデアマンであるということだ。自分がアイデアマンでないならアイデアがなくてもいい筈だ。  この事態に対し私は、現状維持以外のアクションを起こそうとは思っている。しかしそのアクションの効能に即効性があっては困る。  即効性のあるhow toは、他人に組み立ててもらっ

          アイデアマンなのにアイデアが無いことについて

          愛論文

           愛がないものは何をしてもダメだと、あなたは言いました。軽率に愛を唄った所で本当に愛があることを証明できるわけではありませんが、飾り程度の気配りと、言い訳として、最初に愛を名指ししておきます。  日本には四季があります。だから四季の移り変わりに合わせてストーリーを展開していく場合が多くあります。結ばれないアバンギャルドは結ばれないながらも、四季なんてものに左右されずに、フリーダムに始まり、そして終わって欲しいと陰ながら祈っていました。東京の臭さはいずれまた、どこかでお話しする

          誰かが腹を抱えて

           豚に真珠を与えた。豚はすぐに飲み込んだ。それが何かも知らずに。真珠がなんなのか、俺もよくわかっていなかった。貝の中に入っている丸い石みたいなやつ。欧州貴族の首飾り。ダンジョンの秘密を暴く鍵。初めてもらった合鍵。中古で買った自転車。ここに引っ越してきて数ヶ月が経ったが、駅前にあんなお店があるなんて知らなかった。  フラッと立ち寄った店で出会った460円のジャンベ。それはあまりに小さい。指が何本かしか収まらないサイズ。俺にも余暇があった。1年だったか26年だったかもう忘れたが

          誰かが腹を抱えて

          初夏経過および私

           頭痛の原因が複数ある様に、眠れない理由もそれなりにいろいろある。例えばスライスした林檎しか食べない女子高生が夢に出てきて鬱陶しいとか。仏教への帰属意識が低い坊さんが警策で肩を叩いてくるとか。窓際で煙草を吸いながら詩集を開いたら止め時を逃したとか。アメコミのヒーローは青少年の精神的苦痛にどの程度太刀打ちできるのだろうか。  私は私の存在を軽視しているし、君は君の存在を軽視している。この場合私たちは、お互いを尊重しあうことでバランスがとれるのだろう。しかし私は君を軽視している。

          初夏経過および私

          非簡潔類のぼくら

           現実が小説よりも奇なるものならば、それを小説に書け起こせば無駄がない。SDGsとは何ですか。世にも奇妙な物語を観た直後は、人々の動きや、街の音に敏感になる。刑事でなくとも、あらゆるものを疑う権利はある。奇妙さと言うものは現実から遠く距離を置いたものではなく、少しのズレである。現実から自分を少しずらすことは、世界から自分を守ることになる。それは努力というよりも、工夫と呼ぶべきだろう。  少し頭を捻ることで、大きく儲かる人もいよう。しかし、自分が求めるものはそういったニュアンス

          非簡潔類のぼくら

          括弧が仮ってる

           久しぶりに頂いたお仕事なので早急にこなしていきたいと思います。非常に嬉しく思っています。いつも通り混迷を極めております。将来、未来どころか今日の生き方もわからない感じがとてもいいですね。一挙手一投足がしんどくて撮れ高があります。どんどん仕事をしなきゃやばいっすよね。色々考えちゃうけど考えていたら死んじゃうので、さっさとやめなきゃいけないはずです。いやー、歪んだ作家性ですよね。わかってますよ。アングラがすぎますよね。なんかどうやって勝てばいいのかよくわからんのですよ。勝ち方考

          括弧が仮ってる

          ギャルと哲学者の狭間で

           ギャルと哲学者の狭間で生きたい。ギャルと哲学者の狭間で、、、ギャルと哲学者の狭間で生きたい。ギャルと哲学者の狭間で、、、  時に俺は歩いていた。何者でも無い姿、傍の猫に晒しながら。俺は歩いていた。手の指の冷たさを感じる夜の10時。細かいことを気にも留めず、カラッとした生命力で、お前の前に立ち塞がってゲラゲラ笑いたい。昼も夜も入れ替わるような、そんな言葉巧みで、破綻してお前に笑われたい。  ギャルと哲学者の狭間で生きたい。ギャルと哲学者の狭間で、、、ギャルと哲学者の狭間で生き

          ギャルと哲学者の狭間で

          雨女

           雨女はベビーカーに雨こどもを乗せて公園に来た。雨女は完全なる父親からの遺伝で指が短いことに鬱陶しさを感じている。最近舌打ちをすることがあまりなくなった。こどもが出来てからか。でも煙草はやめない、妊娠中は何故か吸わずにいられたが、そのうちまた吸い出した。妊娠したぐらいで煙草をやめられる自分が、10代の自分なら吐くほど嫌だっただろう。10代の頃の自分が時々銃口を向けてくる気配がするが、今の自分は風車のおもちゃを回すだけで、10代の自分に勝ててしまう。

          青春の青い部分

           誤魔化しようのない、はっきりとした輪郭を持って絶望が現れる。さくらんぼの宣材写真のような乾いた可愛さで、同情の余地を持たない。砂漠を抜けて、恋人に笑顔を見せる。分離主義者の大仕事。

          青春の青い部分

          観察している。愛は、

          愛とはなんだ。愛は、仕事に誇りを持つ路上取材者だ。非常に良い声をしている。 愛とはなんだ。わからない。知らない。 愛が何かは知らないが、自分が愛ある人間であることは知っている。知っていると言うより自覚がある。自覚は良い、根拠があってもなくてもいいのだから。  

          観察している。愛は、