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その5 たしなむ ①からだの仕組みと働き 自らの生命と機能を把握する

「たしなむ」という動詞は、ある事柄を楽しみつつひとおり理解する有様だ、と自分なりに定義していた。正確には、↓のようにまとめられている。

たしな・む【×嗜む】の解説

このんで親しむ。愛好する。「酒を—・む」

このんでそのことに励んでいる。芸事などの心得がある。「謡曲を—・む」

つつしむ。気をつける。用心する。「少しは行いを—・みなさい」

4前もって用意しておく。心掛ける。

見苦しくないように整える。

華女の時を充実させるべく、様々なよしなしごとを「たしなんで」いきたいと願っている、わたくし。

ちょうど、「たしなむ」について、持論を展開されている記事も見かけ、なるほどと肯くことしきりである。↓

https://www.japan-assertion.jp/post/%E3%80%8C%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%AA%E3%82%80%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%B0%E3%81%AB%E6%83%B9%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%8B%E3%80%82-%E5%85%AB%E5%B7%BB%E7%94%B2%E4%B8%80

まず最初に「たしなみ」たいのは、自分自身の身体の仕組みやその働きについての基本。思うにそれは、わたくしの生命の営みの基盤であるからである。

幼い頃から虚弱で、病院や医務室に通い慣れている子どもだった。そのうえさらに、小学6年の秋には右ひじを複雑骨折し、何時間ものオペでたくさんの薬剤を投与され、1年以上のリハビリでどうにか不自然ではないほどの曲げ伸ばしができるようになった。その不十分な動きを補うように手首や肩に負担をかけて暮らしてきた。半世紀近く重ねた歪みのある動きは、多分それなりにこれからの身体機能に影響を示すだろうと想像できる。

このようなわけで、自然と病気や薬についての情報や、不具合への手当法などに興味関心が高くなった、わたくしである。もちろん、中学の理科は、得意教科になった。最近、「はたらく細胞」のアニメを初めて見た時も、こういう作品を待っていたよ、と心底喜んだ。

この作品の魅力は、まるでどこかの宇宙の出来事のように感じられるワクワク感だろう。実際、自分の身体の中で、生命の営みがアクション映画さながらに展開されていると思うと、素直に感動する。そして、できるなら、自分の中ではたらく細胞たちが少しでも楽に過ごせるといいなと願う。

わたくしたちは、主な器官の機能などの基本的なメカニズムについては、学校教育で少し学んでいる。が、それは、いわゆる機械論的な視点から身体を見るスタンスだ。わたくしは、その一方の機械論では説明できない「いのち」のサイクルについて、同じくらいの重みで理解したいと思うようになった。

そもそものきっかけは、オステオパシーなる治療を受けた経験からくる。治療時間中に、施術師さんから伺う自分の身体の状態を通じて、胸腺や脳下垂体、視床下部、松果体、縦隔膜、心膜、髄液などのことも学ぶ機会が得られて嬉しいこの頃だ。

わたくしは、子どもの頃からの神経痛持ちで、何の傷もないところが突然針で刺されたように痛むことが時々ある。病院ではどうしようもない不具合が何時も何かしらあることにも、なんとなくあきらめを持っていた。抗わないぶん、耐力が備わって、余程のことがない限り鎮痛剤にも頼らずにやり過ごせる。それでも困った時は、オステオパシーの治療を予約する。

先日も、左の肋骨あたりがひどく痛むので、これは肋間神経痛か?と疑っていたけれど、施術師さん診断では「心臓を包む心膜が捩れて出ている痛み」とのこと。原因はストレスと、頚椎の左側のズレだとおっしゃった。15分程度の施術で呼吸が楽になり、その後痛みは消失した。

実際に、神経も膜もレントゲンでは映らないが、空隙を含みながらの全身を覆うネットワークであり、何重にも大事なものを包み守るものである。今の通常の医療では、そのあたりへのケアはほぼ不可能だが、オステオパシーの施術の有用性を実感している。

従来の医療とは異なるアプローチなので、不思議感はぬぐえないが、わたくしのかかりつけ施術師さんにおいては、何かしらの物品の購入勧誘も高額な治療費の負担も全く無い。信頼感からくるリラックスした環境で治療を受けて、効果も実感できるので、数か月ごとにメンテナンス的なかかり方でもう十年近くお世話になっている。

もちろん、巷には悪質な治療者による経済的、身体的な被害が生じる事例も少なくない。お金失うこともこまりごとであるけれど、健康を損なっては取り返しがつかない。「治りたい」心に付け入る悪者に引っかからないためにも、基本的な知識も身に着けておきたい。

やはり、身体の管理者としての自分が、その仕組みや状態をよく理解していることが第一の前提である。医者任せ、専門家の言いなりになりがちな親世代とは異なり、自分が己の主治医のつもりでセルフケアを工夫したい

そのように「たしなむ」ためのテキストに↓の書籍を取り上げておく。

この本のタイトルは、大げさではなく、真実だ。知れば知るほど、人間のからだは素晴らしい、と思う。この本のタイトルは、真実だ。そして、物質だけでは生命活動が起動しえないこと、三か月ほどで総入れ替えするという細胞の集合体でありながら、ずっと独特な個体で居続けられる不思議さについても、目を向けていきたいと思う。そのガイドとなる思考のヒントに「動的平衡」というアイデアがある。↓

生まれてからこの時まで、一時も休まず動き続けてくれている、このからだ。呼吸も脈も、新陳代謝も生きている間は自律的に継続されている。自分でありながら、自分が知り尽くすことは不可能なミラクルな働きを同時進行で行い、生命を維持し続けているこの精妙さ。

パラドキシカルな展開になってしまうけれど、単なる仕組みやマテリアルに収まりきらない、とてつもない仕組みがこの身体に詰まっていることへの感謝や畏敬を、不具合が増えていくであろう、華女の期間に心するために、まずは身体について「たしなんでいこう」と思っている。
  

暑さにも寒さにも強いヤブランの 花言葉は忍耐

最後までお読み下さり、ありがとうございます。感恩戴徳。



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