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【覚書】E・A・デュポン監督『ヴァリエテ』(Variété, 1925)

 VHS版を入手し、ミュージック・ホールの場面で「運動が猛り狂い、ただし光の役に立つために猛り狂い、そうして光をきらめかせたり、星たちを形成したりバラバラにしたり、さまざまな反映を増加させたり、いくつものたなびく細長い輝きを描いたりする」(ドゥルーズ『シネマ1』)のを確かめる。
 成る程『ヴァリエテ』(25)にも、ドゥルーズいうところのドイツ表現主義派の特徴である(光の度の)「ゼロ(黒)への落下」を見出すことができる。この「落下 chute 」は空中ブランコからの文字通りの落下のみならず、主人公の中年男の「人生(日光) jour 」からの転落をも呼び込むのである。

※今(2024年現在)はDVDでも見られる由。

〈引用文献〉ジル・ドゥルーズ『シネマ1—運動イメージ』財津理他訳、法政大学出版局、2008年。

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