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【映画評】クレイグ・R・バクスリー監督『ローズレッド』(Rose Red, 2002)。

 スティーヴン・キング脚本によるTVシリーズ全3話。実質、『たたり』(1963)のリメイクで、幽霊屋敷「ローズ・レッド」における超常現象調査に6人の超能力者が雇われる。『たたり』にあった、石を降らせる少女のエピソードが視覚化され、屋敷はウィンチェスター館(実在するお化け屋敷)風に息づき、自ら増築を繰返す。
 錯視効果でどこまでも続くように見える廊下、天井と床が逆さになった部屋、床が鏡ばりの部屋等々、登場人物らの運動感覚を失効させんとする屋敷の空間設計が楽しい。元はキングがスティーヴン・スピルバーグに頼まれて脚本を書いたとのことだが、スピルバーグ監督作として作品化されていたらどうなっていただろうか。でも彼には『ポルターガイスト』(1982)が既にあるしね。

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