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【映画評】ルパート・グールド監督『ジュディ 虹の彼方に』(Judy, 2019)

 メロドラマの傑作である。『エディット・ピアフ 愛の讃歌』(2007)でマリオン・コティヤールがやっていたような、ただの物真似とは訳が違う。稀代の歌い手でもあるレネー・ゼルヴィガーの役者人生が、舞台上でジュディ・ガーランドのそれに重ねられるとき、スクリーンのこちら側にいる私たちまでもがゼルヴィガー=ガーランドと空間を共有し、また心を通わせることとなる。

 Somewhere over the rainbow
 Way up high
 There’s a land that I heard of
 Once in a lullaby.

 それにしても、最近(2019年現在)、1968年——本作における舞台、あるいはルイス・B・メイヤー、『スキャンダル』(2019)におけるテレビ局あるいはロジャー・エイルズ——と1969年——『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)におけるハリウッド——前後のメディア状況それ自体が問われているようだ。
 そういえば、『スケアリーストーリーズ 怖い本』(2019)も1968年の話で、劇中、ドライヴ=イン・シアターでインディペンデント映画『ナイト・オブ・リビング・デッド』(1968)がかけられていた。


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